■ アトランタ最終予選プレイオフ第1戦
Subject: Canada - Australia, Final Olympic Berth
Date: 27 May 1996 06:51:23 GMT
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  ■□ サカタ@カナダなめたらあかんぜよです

  アトランタ最終予選プレイオフ第1戦
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 ┃ カナダ対オーストラリア ┃	(May 26, Edmonton)
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  ついにやってきましたプレイオフ第1戦。げげ、カナダのあのキーパー
 が怪我で欠場! まずいー。あいつがチームで一番うまかったのに。それ以
 外は前回休ませたFWも含めてメンバーはそろっていますが。......おお
 カナダ国歌だ、選手の半分が英語で半分がフランス語で歌ってます。

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  オーストラリアの監督は先週の CONCACAF トーナメントを偵察にきてた
 のですが、決勝前カナダ2位が決まったときに「うちのほうがカナダより
 少し強いだろう」と言いました。それだけならいいのですが、メキシコ―
 カナダ戦を見ずしてジャスパー国立公園へ観光に行ってしまったのです。
 「カナダチームはもう見たけど、ジャスパーはまだ見たことないからね」。
 おのれ舐めおって。角さんヒキダさん、すこし痛い目に遭わせてやりなさ
 い。本当に最初からゴッチゴチの当たり合いになっています。

  ふーむ、技術・戦術はオーストラリアのほうが明らかに高いですね。パ
 スを出す位置もタイミングも、カナダのような勢い任せじゃなくて常に考
 えてプレイしています。しかしオーストラリアは名前からみてラテン系の
 移民一世が多いなあ。カナダはみんなカナダ生まれなのに、ずるいぜうま
 くて。う、豪移民ディアゴなんとかのアウトサイドキックの美しいパス!
 あー、オフサイド、助かった。序盤は豪がゲームを支配しています。

  15 分・カナダFWが頑張ってボールを保持し、ようやくカナダのライン
 を上げました。反撃だ。カナダ最初のコーナー。高さはどうか......うー
 ん、低めを狙ったのか、DFに止められなにごとも起こりませんでした。
 ───あ! カナダMFが豪バックスのファンブルを得意のインターセプト、
 反応が遅れたDFを振り切って持ち込みシュート! 入った────\(^o^)/!!

  ほれみなさい。カナダのスピードを舐めてジャスパーになんか行ってる
 からゴール前であんなミスをするのだオーストラリア。「下がるな! 攻め
 続けろ!」とカナダコーチが叫んでいます。そうだ、攻め続けろ。2点くら
 いは取られるつもりで3点取れ。

  先取点で固さが抜け大胆になったカナダと、最初の余裕がなくなったオー
 ストラリア。カナダが徐々にペースを掴み始め......と思ったらカナダP
 Kボックス付近まで押し込んだ豪が右にボールを流し、ガラガラのスペー
 スへ選手が走りこみミドルシュート、それが入っちまった────\(+_+)/!!
 うーん、見事な一撃。まあ懲りずにどんどん行きましょう。

  30 分・また同じサイドのガラガラのスペースにボールが流れ、豪選手が
 走りこみピンチ! ゴーリーが飛び出し危うく止めましたが、あんなにフリー
 にスペースを与えてどうするカナダ! ───うわ、今度は完全に組織で数
 的有利を作って3対2状態で豪がゴールエリアに突入、これもゴーリーが
 死ぬ気で止めてくれました。うーん、押してるわけでもないのにオフサイ
 ドラインを浅くしても、パス一発で大ピンチになってしまうのだ。考えた
 方がいいぞキャプテンヒキダ。豪は完全に落ち着いてしまったし、これで
 は追加点を取られるのは時間の問題、修正が必要です。......しかしカナ
 ダは補欠のゴーリーなんですが、こいつもいいなあ。ホッケーというのは
 ゴールキーパーを集中的に鍛えるスポーツなのでしょうか?

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  前半終了。例によってカナダコーチのハーフタイムインタビューがあっ
 たのですが、興奮して早口で何を言ってるか分からず。押されてもひるま
 ずラインを押し上げていくのだ、もっとマンツーマンでディフェンスをし
 ないとだめだ、みたいなことを言ってました。うーむ。

  豪は意外なことにラテン系のサッカーなんですね。豪加のサッカーは似
 ているなんて新聞は報じてましたが、どこがだ (^_^;)。ラテン移民がチー
 ムに多いことにもよるんでしょうけど、受け取る側まかせの長いパスなん
 て全く使わず、常にグラウンダーの短いパスで走る味方の前方へ、あるい
 はカナダの裏を狙って打っています。足技もアウトサイドパス多用で南米
 風だし、はっきり言って見ていて楽しい (^_^;)。これほどいいチームとは
 思わなかったよ、まずいなー。

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  後半。ずっと豪がカナダサイドでゲームを進めます。うー! 15 分頃、
 サイドからのセンタリングを豪FWが落ち着いて完璧なタイミングでボレー
 で合わせ、1―2。うまい、まいった (泣)。はっきりいってこの豪チーム
 は、無理して勝ちにこなかったメキシコよりはるかに強く思えます。すご
 くうまい選手はいないけれど、全選手のプレーの質がカナダとは比較にな
 らない。

  それを感じ取ってかカナダ観衆も静まりかえってしまいました。カナダ
 MFがひとり怪我で退場、がっくりうなだれています。ホッケー仕込みの
 肉弾戦でも勝てないとは、オーストラリアンフットボールおそるべし。な
 んとか取り返してせめて引き分けにもちこまないと、この試合だけでアト
 ランタゆきのチームがほぼ決定となってしまいます。それは困る。頼む、
 誰か1点取ってくれ。

  豪は活躍していたガルシアなんとかを交代させました。追加点が取れれ
 ば取るが無理をせず、といった余裕がチームにみえます。中盤でのプレス
 も厳しく、カナダは悪い時の苦し紛れのDF→最前線ロングパス悪循環に
 入ってしまいました。それでは駄目なのだ。駄目なのですが、私もどうし
 てよいのか分からない。残り 20 分、うーむ。ここでどうにも打開できな
 い試合がトーナメントで3ゲームあったわけですが、1週間ではそれをど
 うにもできなかったんでしょうねー。別なメンバーが入ったわけでもない
 からな―。

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  残り時間わずか、カナダのエースがドリブル突破を試みてFKを得まし
 た。これが唯一のチャンスだ。あー、横に流して蹴ったものの、壁に当たっ
 ておしまい。あーあ。今の突破はなかなか見どころがあったのですが....。
 やはりいつでもこうしてドリブルで一人くらい交わしてから次のアクショ
 ンにつなげないとだめですね。せめて抜く意志くらいみせないと、カナダ
 のやることはなにもかもが淡白すぎて、相手にとってはなにも脅威がない
 というのがありありなのです。残り数分、ああ。

 ......あ・あ・あ・あ・あ───っ!! やった───っ \(;_;)/!!!!
 1点目と同じ選手が、同じようにオーストラリアDFがゴール前で処理し
 かけたボールを強引にインターセプトし、同じようにゴーリーの足元を抜
 いて完璧に決めてくれました (;_;)。えらい、えらいぞサウザ君 (;_;)。
 にわかに沸き立つ死んでいたカナダ観衆。もうインジャリータイムです。
 よくこんな時間に決めて希望を残してくれた。カナダ国民栄誉賞を君に。

  試合終了。うーん、よく取ってくれた本当にパウロサウザ。いやそれは
 有名な選手か、えーデイビッドサウザ君。技術などなくても気合いとスピー
 ドとゴールに入れるという気持ちの勝利でありましょう。

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 ....といっても勝ったわけじゃなく、アウェイでこれだけのチームに勝た
 なければならないとなると気が重いのですが、負け試合を追い付いたこの
 粘りを生かしてですね、なんとかしてくださいお願いですとやおろずの神
 に祈るばかりであります。今回はオーストラリア監督の読みの甘さにやや
 助けられた感がなきにしもあらず、次回負けたらおしまいの究極の真剣勝
 負を両者がどう戦うか、見ものです。カナダ応援者にとっては胃の痛くな
 りそうな一週間です。

 .......しかしオーストラリアはいいチームですね。カナダに負けたら「ク
 ビになってもいい (^_^)」と言っているというこのタコ監督を除けば (笑)。
 日本が練習試合で負けたのも無理からぬところだと深くうなづく夜なので
 した。

	5/26 カナダ - オーストラリア	2-2
	6/2  オーストラリア - カナダ
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 │Tomo│
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