【バンクーバー二輪生活1--- 二転三転するバイク人生の巻】
Newsgroups: fj.rec.motorcycles
Subject: Our Fellow Bikers :-) Vol.4
Date: Sat, 17 Aug 1996 10:13:08 GMT
【バンクーバー二輪生活1--- 二転三転するバイク人生の巻】
ここに書かせていただいた通り先日首尾よく B.C. 州の免許を取得した
のですが、免許取得とともに修理が終わっているはずのスクーターがいい
加減なバイク屋のせいで直らず(高速道路でドライブベルトが焼き切れた
のです)、ずっと苦労をしていました。修理が終わっても一度そういう重
大なトラブルが起きてしまうとなんだか思い切って乗ることができず、憂
鬱な思いでいました。
そこに、実地試験の時に試験車 SR250 を貸してくださったNさんからの
電話。......以下、興奮にまかせてつづった、日本の TZR 乗り弟と
Serrow 乗り友人に宛てたメールを引用させてください :-)。
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Sat, 17 Aug 1996
じつはだね! こないだのメールで
│ てきた。ほんとうに町なか買物ランには強いぜ俺のスクーター。雨の秋冬
│ のことも考えると、下半身が濡れない(であろう)こいつはやっぱり頼り
│ になるわ。ライトも一応今はついてるし、まぶしい日射しの中を気持ちよ
│ く駆け抜けて行くと、久々ににっこりと笑いたい気持ちが帰ってきたよ。
てなことを書いたのだが、あれはあなたたちを安心させるための嘘でし
た。
......いや嘘ということもないんだけど :-)、あれからテストで郊外の
80km/h ロードをスクーターで走ってみたのだ。そしたら、やっぱり前に高
速でドライブベルトがバーンアウトしたショックがどうしても抜けず、故
障がこわくて全開にできないのよ。またベルトが切れたらどうしようって、
どうしてもアクセルをゆるめてしまう。特に高速に乗る用事があるわけじゃ
ないけど、バイクを信頼できず思い切り走れないというのは非常に憂鬱だ。
よわったなー、やっぱり失敗だったかなーとまた重たい気持ちになって帰っ
てきたのさ。
そしたらね君、免許試験用に SR250 を貸してくれたNさんが電話してき
てくれたのよ。
『あの SR を$○○で買いませんか』
絶句。安すぎる。「しかしスクーターがあるので、買えないです〜うう
う」と嘆くと横で聞いていたMさんと友だちが、「そっちのバイクが欲し
いなら、スクーターなぞ売っちまえ」とぴしり。そ・それは道理だがそん
な簡単にいかんよ〜。「いやなにも問題はない、ほしいなら突っ走れ」。.
.....そそ・そうですか〜───とその気になり、今日バイク屋へ行って相
談したのだ。
そしたら買い取りは今してないが、委託販売で店に出せば近い将来に売
れるだろうという。げげ。もう止めるものはなにもない。Nさんに電話し
て決めました後生ですからこの私に SR を売ってくださいとお願いし、バ
イク屋にそのままバイクを置いてナンバーをはずし委託販売の書類を作成
し、銀行でとりあえずの現金を引き出して、メットをぶらさげてダウンタ
ウンをNさんの会社へ向かって歩いた。メットを持って歩くというのは実
に情けない、全くおさまりが悪い、二度とごめんだと考えながら。
そしてバンクーバー郊外のN家へ車で連れて行ってもらい、近所のスー
パーへバイクの書類を持っていき、カナダのイージー名義変更とイージー
保険転送(スクーターのナンバーと保険がそのまま使える)で、あっとい
うまに SR250 が俺様のものに。信じられん。
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夢のような気持ちで暗くなり始めた道を、あの Harrison Lake からの帰
りに君たちと一緒に走ったR7をバンクーバーに向かい始めた。なんと速
いことよ 250 としみじみうれしさが湧いてくる。同じスピードで走ってい
ても全然違う。コントロールできているという確かさが違う。別の乗り物
のようだ。こないだは借り物だというのが頭にあって、こいつに乗る喜び
を味わうのを意識的に禁じてたのだが、自分のものだとなると本当に爽快
なのだった :-)。
そして高速に乗り、アップハンドルバイクの風のしんどさに改めて驚き
つつ 100km/h で巡航。念のため持って行ったゴアテックスジャケットの防
風性の高さに助けられる。やっぱゴアテックスはいいわ。冬でもいけそう。
高速から降りるころはすでに8時を回り、暗くなっていた。8月になった
ら暗くなるのが一気に早くなったなあ。空気も冷えてくる。いつまで寒く
なくバイクを乗っていられるだろう。SR は快調に走って行く。
うちのそばの 12st に入る頃には、昔 RZ で都内を走っていたときのよ
うな、絶対事故らんぞの集中キビキビ走りが戻ってきているのが感じられ
た。やっぱりギアとアクセルとクラッチがあればこその二輪安全運転だな
―。この単気筒エンジンは最高だ。君のセローもヤマハの単気筒だから、
似てるかもね。信号でとなりに赤いスーパーカブが止まった。わ、めずら
しいかわいいと驚いて眺めていたら、ライダーが俺の顔を見てにやりと笑
う。顔がピースサインを送ってる、ヘイ・ハウヤドゥーイン? あー、バ
イクはなにもかもが楽しくなる :-)。
そうして今うちに、SR250 があるわけさ。あー、なんてラッキーなんだ
ろう。いや、スクーター故障から今までが不運すぎたのだが、全てを一発
逆転に持ち込むほどのラックが転がり込んできたという感じだよ。大事に
乗ろう。Nさんはバイクレストア王なのでこの SR も年式が古いわりに異
常にきれいなのだが、なるべくサビなど出させないようにしよう。バンクー
バーのバイクの神様、これからは不運が落ちてきませんように。気をつけ
て大事に乗りますから......と空に向かって祈るのさ。そんじゃね :-)。
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というわけで、人の運命とははかりしれないもの、私は急転直下、試験
の時にお世話になった SR250 のオーナーとなってしまったのです。しあわ
せー :-)。この SR と僕たちは、この先どこへ走って行けるだろう。どこ
にだって行けるのさ、イエス。
本当にいくら感謝してもしきれないN氏、どうもありがとうございます。
Maple Ridge には脚を向けて眠れませんです、はい :-)。