野宿の思い出
Newsgroups: fj.rec.motorcycles
From: Tomo Sakata (res.com)
Date: Tue, 02 Apr 1996 09:24:58 GMT
■□ カナダに住む元2スト・ツーリングライダーです
In Article <4jqdsj$9i6@kuee2.kuee.kyoto-u.ac.jp>,
g-takemu@vision.kuee.kyoto-u.ac.jp (GAKU Takemura) wrote:
> がく@RF400R です。
> 元記事を書いたものです。
:
>>> あとは、言うまでもないことかも知れないですが、駐車場の脇はできればやめ
>>> た方がいいですね。「やんきー」の方とか「ぞく」の方が来てこわかったこと
:
>> 一人なんですが、たまにポツポツ人が来ると慣れていないだけにビクビクして
>> しまい10時間ぐらい寝袋に入っていてもせいぜい3時間位しか眠れませんで
>> した。それもこまぎれで。
:
> 「おいおい、、、変な車が駐車場に入っていくぞ、、、ナンバープレートの数
> 字が順番に左から右へ光ってるぞ、、、テントに財布置いてきたからテントに
> 戻るわ、、、」
> 電話の相手 : 「この電話が最期の言葉やったらいややで、、、。」
こんにちは、お二人の気持ちがよく分かります (^_^)。野営していて、
人がいないはずのところに人がくると、こわいですよね。
僕ははじめてテントを買ったとき、箱根に行ったんです。シロートなん
だからキャンプ場に泊まればよかったんですけど、なんとなく人ごみが嫌
で、(たしか)箱根旧街道を登って行く途中にあるお玉が池のほとりにバ
イクをとめ、荷物を担いで湖畔に降りテントを張りました。
はじめてのことでもう興奮していて、テントの中で横になるだけでうれ
しくてたまらなかったですね。固形燃料でお湯を沸かして、ろうそくの光
の下でレトルトのご飯とカレーを食べ、まわりに明かり一つない中コーヒー
をすすり星を眺め、しあわせそのもので眠りにつきました。
ところが、もうお分かりでしょうけど (^_^;)、来ちゃったのですよ暴走
ピープル。ごわんごわんと集結して、車から降りてなんだかんだと騒いで
います。ぱっちりと目が覚めてしまいました。駐車場からテントまではか
なり離れていたので、まさか湖面に降りてはこないだろうと思いながらも、
僕は寝袋にしっかりともぐりこんで「こっちへ来るなくるなくるな」とつ
ぶやいていました。
しばらくすると1台去り2台去りと帰っていきました。全く静かになっ
たところでバイクが心配になり、せっかく暖まった寝袋から這いだして小
さな懐中電灯で地面を照らし道路まで登り、愛車 RZ を点検しましたが、
異常なし。ほっ。もう大丈夫だと引き返しもう一度寝ました。
ところが、うつらうつらとした頃にまた1台車がきてしまったのです。
ドアが開く音がし、今度は土手に作られた階段を───降りてきます!
──なんで?! どうしてこんな夜中に真っ暗闇の湖畔へ降りて来るわけ?!
来ないでくれよ〜───とすでに胸中泣き喚き。草むらを踏んで人がこっ
ちに向かってくる音が聞こえてきます。やがて話し声も聞こえてきました。
「女だ.....女の二人づれ? なんなのそれー(泣)。おねがいだからあっ
ちへ行ってくださ〜い(泣)」──僕はもうガタガタと震えながら、寝袋
の中でできるだけ小さく固くなろうともがいていました。もう足音を聞き
たくないと、耳も固くふさいで。
どれくらい経ったのか、気がつくと彼女たちの足音は消えていました。.
.....去ったのだろうか。車の音はしただろうか。それともみんな夢だった
んだろうか。テントから顔を出して外を見る勇気もなく、寝袋の中で固く
なりながら、やがて途切れ途切れの眠りに沈んでいきました。
翌朝疲れ切って目が覚め、朝日の中で考えてみると、どう考えても女の
二人連れが夜中に湖畔に降りてくるなんてことはありそうもない。夢だっ
たのだろうと思いました。音や恐怖があまりにビビッドだったのでそうと
も思えなかったのですが、「そうでなければお玉の幽霊だ」と思えてしま
うので、それを頭から振り払うために夢だということにして荷物をまとめ、
RZ をかっとばしてさっさと逃げ出しました (^_^;)。こわいのは苦手なの
です (^_^;)。
だいたい国立公園内に勝手に野営したからバチが当たったのですね、きっ
と。しかもなにか因縁のありそうなお玉が池だし。そのあとキャンプ場以
外で野営するときは、人が絶対やってこないところだけにしています。キャ
ンプをしていて、外を正体不明の人が通ると、ほんとこわいですよね (~_~;)。