コリア Web でコンフェデ杯


■ 01/05/24(木) 25:56:29 □ スペイン戦観戦
 昨日は本当にすばらしい夏日だった。カナダでこれほど気持ちのいい夏日は 経験したことがない。アパートと違って一軒家は風通しがいいからだろう。夕 方には風がひんやりとし、焼けたアスファルトの匂いに切り替わる。夏だなあ。 カナダでも、こんな気持ちが味わえるんだな。  夜中、サッカーカフェを久々に読んでみたら、俺のコラムを読んで「カナダ を応援する」という人が2人いた。2人いるということはその30倍はいると いうことなので(ゴキブリ算)、60人くらいがカナダを応援してくれるだろ う。よしよし。 ----------------------  萌の世話をしながら、テープが届いたスペイン戦を見る。前半の中頃からは、 日本がきちんとペースを掴んでいた。ボールを持たせて、プレスで奪って攻め るという繰り返しが淡々とできて心地よい。日本の選手たちにはかなり余裕が ある。技術的に大差はないのだが、日本の問題は攻めのときの精度がぜんぜん 足りないことで、攻撃時選手間の距離があるこういう守りの試合では、長く速 く厳しいパスをスパッスパッとつなげてシュートに持って行くだけの技術がな い。1本だけならいいパスでもパシっと通るのだが、3本くらいそれがつなが らないとチャンスは生まれそうにない。したがってやっぱり、人数を押し上げ 選手間の距離を縮めないと、本当のチャンスは生まれてこないなー。  守備はなんか絶賛されていたが、シュートをけっこう打たれてるしセンタリ ングもいいのを入れられている。サイドに守備人員を2人増やしたのだからもっ とタイトにできるだろうと思う。噂のハトはたしかにいい選手だが、守備時も う少し詰めて勝負をしてほしい。しかしスペインの攻撃がこんなもんなのであ れば、うまく左右を調整して、常時4人で守れたらいいなあと思う。そんなに うまく行くわけはないのだが。  後半はかなり膠着していた。どちらにもあまりいいところなく退屈なゲーム。 日本選手は、個々のプレーに分断されたスペイン選手のやることはほとんど見 切って余裕でカットし守っているが(本当に個人能力に差はないと思う)、攻 撃では依然なにもできず。高原や中田のポストはうまいなと思うが、せっかく ポストしても後ろに返すだけではなにも起こらない。  終わり頃にはスペインのモチベーションが尽きかけており、パス回しも含め て日本の方がきれいなサッカーをしていた。スペインにとっては、一言でいっ て「手が合わない相手」という印象しか残らなかっただろうなと思う。手が合 わないとすぐにこういう停滞したゲームをやってしまうから、スペインはWC で毎度毎度格下に負けるのだ。  しかし、日本に来たブラジルBチームがこれくらいの強さかもしれんと思う と(ブラジルBの方が個人技は高いだろうが、このスペインの方がさすがにチー ムとしてこなれているだろう)、ホームで迎える日本が勝つことは充分に可能 だなとワクワクしてくる。
■ 01/05/27(金) 14:28:13 □ 蜂の巣退治
 夜、蜂の巣退治。帽子にゴーグルにコートにえりまきを巻いて、Pさんの指 示通り(?)にやったら指を刺されてしまった。うがががががとびびりつつも スプレーを吹き付け、どうにか退治する。実際危ないところだった、あんなに 蜂の巣というものが柔らかいものなのだとは知らなかった。次に同じことをす る際には、もっと安全な方法を考えなくては。ビニールの口を一瞬で確実に締 めないと、反撃を食らうのである。  夜中にアジアクラブカップ決勝、水原三星-磐田を見る。韓国のネット中継 をみつけたときにはすでに後半になっていたのだが、1点を守りながら隙さえ あれば全力カウンターを忘れないボクサーのような水原と、パッサーを全員欠 き力押し以外に手の打ちようがない悲痛な磐田との戦いは、息苦しいほどのも のがあった。磐田が7割ボールを持ちながらも、決定打は出ず終わってしまう。 磐田の方が格上なのは見て取れたが、水原三星のあの左のブラジル人と右のソ ジョンウンによるカウンターのすごさはJのレベルを完全に超えていて、名波・ 藤田・奥を欠く状態で勝てる相手ではなかったのだろう。そのカウンターで破 綻をきたさない磐田のDFも、代表より破られにくいのではないかと思わせる くらいだったのだが。くやしい。  ファウルを取ってくれない口惜しさを握りこぶしに込めて地面を叩く高原。 奴は本当に本物のストライカーだ。ここからコンフェデまでの数日で、体を休 めてくれることを祈ろう。  しかしこの韓国 TV の 24 時間ネット垂れ流し TV はすばらしいなあ。カナ ダに住む韓国人は、これをつけっぱなしにしていれば故郷とまったく同じもの が24時間見られるのである。画質も音声もいいし、韓国はネット天国なり。 番組や CM に漂うものがあまりにも日本と同じ風味で、言葉が分からなくても 見ていて楽しい。
■ 01/05/27 (日) 16:07:21 □ toddler 萌
 昨日もMの風邪が一向によくならず、またLDに来てもらって散歩に行 く。徒歩 10 分ほどで小さな小川があって、なかなか悪くなかった。Tシャツ にタイパンツだけで歩ける快適さ。  このところ萌の顔を見ていると、非常に意志的で(実際ワガママにもなって いる)、もうベイビーという感じはしないなあと思う。子供というほどしっか りしているわけでもなく、英語でいう baby - [toddler (ヨチヨチ歩き)] - child というカテゴリの toddler にしか当てはまらないようだ。今は伝い歩 きはもう自由自在で、ハイハイと併せて行けない場所はない。本人さえその気 になれば能力的に歩くことも可能という段階だが、まだ一歩しか踏み出せてい ない。二歩踏み出せば、それはすなわち toddler なのである。
■ 01/05/29(火) 25:35:59 □ 萌の二度目の風邪
 昨日は萌のデイケアを一日問題なく楽しくやれたのだが、夜になってからた いへんな夜泣きになって、夜中に二度も目覚めるという異常事態になってしまっ た。どうやらついにMの風邪がうつったらしい。  なんとか3時半に寝かせて今朝起きてみると容体は収まっていたようなのだ が、今日も昼寝から絶叫と共に目覚め、鼻水ずるずるの最悪状態となってしまっ た。鼻がつまるせいなのか、どうしても長い時間寝ていられないのだ。あわれ。 Mの容体も良化せず、一家最悪の日となる。  午後やった tempra が効いて夕方には鼻をたらしながら元気に遊んでいたの だが、早めの夕飯をやっている間に、よほど疲れていたのだろう、食べながら 寝てしまった。かわいそうに。さらにかわいそうなことには、そのままベッド に連れていって寝かせたのにまた1時間もせずに絶叫で目が覚めてしまったこ とである。最悪。ベイビー風邪クスリを買ってきて飲ませる。これで今夜はな んとか寝通してくれ。
■ 01/05/30(水) 22:44:43 □ 日本-カナダ戦
 萌回復。ほっ。  明朝は日本-カナダ戦だ。カナダ側はどえらく盛り上がっている。WC並み に燃えている。打倒ジャパン。ファンのメッセージを読んでいて涙が出そうだ。  だが現実問題、いかに主力が多く抜けてもボールキープ率で上回り、中田森 島がいる以上日本の得点は避けられないわけで、カナダの勝ちというのは非常 に考えにくい。カナダが点を取れるとしたらロブの処理ミスとセットプレーで、 一つずつあったとしても最大2点だろう。日本は中田の個人技で1点、小野森 島がらみで1点は確実に取る。よほどカナダがカチコチに守ったら別だが。日 本が先行し、カナダが追いつき、最後に投入されたサブ(中山→鈴木とか)の 得点でもう一度逃げ切るというのが理想的だな。それならカナダファンも満足 してくれよう。 ----------------------  しかし昨日のトルシエのインタビュー全文を読んだのだが、もう手におえな いなと思う。スペイン戦で気持ちを立て直し、よし守備はできた、ここからま た積み上げてくれと回りは期待しているのに、通訳ダバディ君と共にキャプテ ンマークを腕に巻いて「この腕章をしたら僕は変わった!」などといって(そ れは漫才として最高に面白いが :-)、「私は日本の間違ったサッカー文化、ス ターシステムと戦う」と宣言したのだそうだ。  誰か止めてやってくれとしか言いようがない。どこからそのスターシステム というのは出てきたのだ。中田や中村がスターになり、慢心して実力が落ちた とでもいうのだろうか。さらにフランス紙には、「私が話しても、話さなくて も、何も変わらない。日本の記者たちは独自なやり方でサッカーを分析する。 彼らのためにもう時間を裂きたくないんだ」と語り、異文化誤解をまた拡大し ている(※)。協会にこの大誤解行動を止めるだけの口を持つ人間はいないの か。スポーツ新聞の見出しと、まっとうな批評とを識別できず、疑心暗鬼から 抜け出せなくなっている。   ※ ちなみに日韓そろっての大敗で、フランスではアジア株がものす ごく下がっているとのこと、とほほ (=_=)。  同時に出た服部の『今は歯がゆいというか、俺の考えでやっていいのかとは 思う。それでベンチから「何やってんだお前」って言われるのもイヤ』という 談話を見ても、独裁&被害妄想体質のトルシエで行くよりも、いやいやおかげ さまでこれまでありがとうと言って彼を捨て進んで行く方が、健康なサッカー をできるのかもしれない。彼がここまでやってくれたことは本当に、日本に財 産として残るわけで、あとは日本人の謹直な監督に細部の微調整だけやらせて そこそこの成績を収めれば、2002 はそれでいいのかもしれん。  トルシエに任せておいた方が成績は絶対にいいものを残せるだろうが、対外 的なイメージ発信を含めた日本のサッカーの健全な発展という目標をこの男に、 なんのコントロールもできない管理職の下で、任せておいていいのかと考え込 んでしまう。チームだけでなくトルシエ自身にも画期的な成熟味が生まれるか もという期待料で日本は彼に任せてきているのだが、このフランス戦以後いつ まで経っても一向に立ち直らないあの精神構造には、まったくげんなりさせら れる。こういうトルシエの発言がネットでは完全にバイアスなしで報道されて いるのに、マスコミだけが悪いと思っている(中田のときもそうだった)ファ ンたちの近視眼にも腹が立つ。  現時点でただ一つの希望は、どうやらトルシエが今日小野を使いそうなとこ ろ。DFをいったん詰めたスペイン戦から、小野を基点にパスサッカーを組み 上げ直すというプランをトルシエが持っている可能性はあることだ。これがカ ナダ戦のみの限定攻撃バージョンだったらなにも進歩はないのだが、カメルー ン・ブラジル相手にもなにかを見せることができるなら、ぜひ見せてほしい。 君の精神構造にはまったくめげさせられるが、腕は誰もが買っているのだ。 ◇ ◇ ◇ ◇  始まった。げげ、なんとライブじゃなくて前振りを入れるためにディレイを 入れておる。くそーもう試合は始まってるのにイライラする。しかしなんかカ ナダというのは被害者意識の高い国で、ホテルは部屋が小さくタバコくさくて 最悪で、新潟と鹿島間の往復というハンディまでつけられてと、ファンの掲示 版と同じことをアナウンサーも言っている。前監督ボブは「カナダは例によっ てリスペクトを受けていない」だと。どうしてそういう些事にムキになるのか なあ。別に日本が積極的にアウェイチーム扱いをしてるわけじゃないのに。  なんか非常にスローなゲームだ。日本がボールを回しているが、全盛期の美 しさは見られない。小野がシュート、フォレストがきっちり止める。うわ西澤 のシュートをフォレストが止めた! うわー今のはまさにクラシックフォレス ト!  ブレナンが完璧に突破、センタリングは直接川口。しかしやっぱり彼は能力 が高い。抜かれたのは誰だ、しっかりせよ。カナダは今回非常にいい。中盤の マークはしっかりしているし、パスもつながっている。ペスキ頑張れ。おお俺 はどっちかというとカナダを応援している(笑)。  日本は中田がピリっとせず、小野がいい。小野の意表を突くスルーから危険 なシーンができ、そのカウンターをペスキが運び、サウザのすごいミドルにつ ながった。ドキっとしたぜ。  セットプレーからデヴォスが折り返し、フリーのサウザがシュート、日本D Fあやうし。なんか弱いなあ、今日の日本。しかしこれならカナダのファンに は喜んでもらえているだろう、よしよし。カナダが先行して中田に火がつくと いう展開を見たい。  ブレナンがまた突破! 森岡がアタマで弾き出したが、左を完全に崩されて いる。弱い日本。カナダの方が多くのチャンスを作り出している。35 分、早 くも交替で中山。誰を替えるんだろう。ことによると体調の悪そうな中田か? 上村! さっきから破られまくってたからか。今までのトルシエにない攻撃的 な交替だ。しかしDFは誰が入るんだ? 戸田?  サウザのキープからペスキのヘッド! 惜しい! デヴォスの鯨ヘッド! 川口弾く。ごーカナダ最高、持ち味出まくりです \(~o~)/。またもブレナン にボールが渡り、素晴らしいセンタリング。このブレナンはすばらしいな、こ れをステップにプレミアに行けるんじゃないか。すごい、すごい、興奮してし まう。ペスキが「こんな走ってる彼は見たことがない」というほど頑張ってい る。頑張れ、足が止まるまで行け。 ----------------------  ハーフ。しかしトルシエは後半どうするつもりか。とりあえずハトを入れて ブレナンを止めないことにはどうにもならんだろうが(伊東はなにやってるん だ?)、攻撃のヘボさはどうするのか。中山を入れたのは早すぎたんじゃない だろうか、この上別の手は打てるのか。  交替なしか。うーむ。全然変わらない。中田がよくない。オリンピック時並 みにぱっとしない。もうゲームメイクは小野にまかせて中田を下げ、....... しかし交替が思い付かない。誰もいない。うーん。まあいいやこれはカナダの ゲームとなれば。  中山がFKを取る。これは小野が決めるなー。決めた。これしか日本が点を 取る手はないよなあ。気の毒なカナダ、追いついてくれ。中山がチームの流れ にフィットしてきて、いいところでボールをもらい始めている。その中山がま たボールを引き出しセンタリング、森島が折り返して西澤が決める。美しき日 本の得意パターン。あれを止めたら、フォレストここにありと世界に言えたの だが。  気落ちしたカナダ、あっという間に勢いが止まる。伊東を下げて明神、これ でブレナンも完璧に止められてしまう。トルシエの積極策は久々にばっちり当 たっている。というか、こんなにファンが思うよりも早く手を打つトルシエは 見たことがない。もはやカナダに打つ手はない。うーむ。  そこから後は、日本が落ち着いてしまい、浮き足立ったカナダにチャンスは なし。ペスキを始め皆疲れてスピードが落ちている。ザウザに代わりコレズィー ン。中田も下がり三浦。中田はいいとこなしであった。  小野から森島に完璧なスルーが通り、きれいにゴール。DFのマークミスか らだが、フォレストの神通力は怪我で消えてしまったのだろうか。ああいう絶 体絶命のピンチを、ゴールドカップで止めまくった彼なのだが。はあ。カナダ にとっては、1st にあった多くのチャンスを決められなかったのが痛かった.. ..って、これは日本がいつも思うことなのだが。  全体的にいって日本はぱっとしなかったのだが、小野と中山(と森島)とい う才能の差がゲームを決めたということだなー。しかしカメルーンとブラジル 戦で前半のようなゲームをしたら、日本はあっという間にガンガン点を取られ、 修正しても間に合わない。しっかりしてくれ頼むぜ。
■ 01/05/31(木) 22:33:36 □ カナダ側の反応
 昨日の試合に興奮した母さんがファックスを送ってきた。「こないだフラン スに負けたときはもうどうなるかと思ったけど、短い間に強くなったねー」。 相手が違いすぎる ^_^;。  カナダ掲示版を見てみると、驚いたことにレフェリングを敗因に挙げている 人々が非常に多い。「ビデオで数えてみると 24 回日本に有利な判定があった」 などと憤っている。は? 俺は真剣にカナダを応援していたが、別に判定など 普通だったぞ。  中山がとった小野のFKが最大のポイントになっているが、デヴォスが足を 出して中山が転んだんだから、中山がどう転ぼうがファウルで仕方がないので ある。接触がなかったといいたいのだろうが、突き詰めて言えば中山の切り返 しについていけずデヴォスが脚を出した時点で負けで、あの脚にひっかかって 転ぶかどうかは完全に中山の自由なのだ。中山は転びFKを得た。それが勝負 なのである。  その他のファウルはショルダータックルを取った/取らなかったとかそうい うマイナーなものばかりらしく、ファンがそんなことを敗因に挙げてるようだ からカナダは強くなれんのかもなあと思えてきた。
■ 01/06/01(金) 27:15:53 □ カナダ-ブラジル
 訪問中のMKを寝かせずにカナダ-ブラジルを一緒に見る。始まって 10 分 ほどの猛攻をカナダが耐えると、ブラジルの底の浅さが見えた。なんだかんだ いってもブラジル国内チームの弱い部類限定の選抜で、やはり足技がうまいと いう以外になにもないチームなのだ。どれだけ攻められてもほとんど危険は生 まれない。カナダは少ない人数ながらちゃんと攻撃を開始する。その攻撃がペ スキのつなぎでけっこうきわどいところまで行ってしまうので、MKと俺は非 常に興奮していた。  後半になるとブラジルのスピードががくりと落ちる。なぜだ、疲れたのか、 それともわざとやってるのかと疑心暗鬼になったが、どうやら疲れだったらし い。攻めてはボールを失い攻めては拙いシュートで終わるの繰り返し。カナダ も依然ペスキを中心に攻めていける。これほど攻められるとは思わなかった。 ブレナンは走り上がれなかったがベントがボールを拾い捲り、全員が素晴らし い仕事をしていた。ブラジルのシュートが最後まで決まらず、結局スコアレス ドロー。カナダにも決めていれば勝ったというヘッドが2本あり、あああれが ヒットしていればという悔いは残るものの、『公式戦でブラジルにドロー』と いう記録は立派に残るのである。日本戦の後「こんなトーナメントにゃ来なきゃ よかったよ」とまでボヤいていたカナダファンは、さぞかしうれしかろう。 ---------------------- ─────────┐ さあ寝ようと思ったがこの日本のスタメンを見て眠れ   川口 │なくなってしまった。鈴木! トルシエすごい、攻める 松田 森岡 中田 │気だ!  稲本 戸田 │ そして期待にたがわず鈴木があっというまにゴール! 明神  小野 │自分で持ち込んでドリブルシュート、こんなのカズ以来  中田 │代表では4年くらい見てないのではないか。すごい。  西澤 鈴木 │ ─────────┘ そしてカナダ戦と打って変わってすばらしいサッカー をしている日本。カメルーンにほとんどなにもやらせていない。カナダ-ブラ ジル戦とはレベルが違う。鈴木がチェックにパスにシュートにすばらしい動き をしている。オフサイドを再三取られているのだが、今の日本のFWでオフサ イドを取られるほど前に飛び出す決断力と脚力があるのはこいつだけだ。韓国 ネットTVも鈴木を絶賛している(ように聞こえる・笑)。  2-0! またも鈴木! すごい。こいつはただ者ではない。やはり小村を ぶっ飛ばし川口の腕を弾いてシュートを決めた、あのチャンピオンシップでの 輝きは本物だったのだ。うちのサッカーシミュレーションでも、英国チームに 外国人FWとして入れたらちゃんと通用したしなー。  そしてなんなんだこのトルシエ采配の切れは。開幕前のボヤキとパニックは 演技だったのか(笑)。前の試合も中山の投入が見事に効いたが、この試合で も駄目だった中田を下げ、入れた森島からセンタリングからヘッド。賭けが完 璧に当たっている。今までこういうすっぱりした采配は一切してくれなかった トルシエなのに、ファンが見たい、見ていて納得が行くチームを突然見せてく れている。  なんか今回は守るだけなんじゃないかと期待されてなかったコンフェデ杯だ が、えらいことになってきたな。ブラジルはもう今日のゲームからは敵じゃな いという感じだし、相手はオーストラリアとフランスのみだ。フランスへの雪 辱も可能だという雰囲気になってきた。フランスでのフレンドリーでの屈辱を 日本の公式戦で晴らせば、ジダン抜きとはいえ胸を張れる以上のものがあるだ ろう。
■ 01/06/02(土) 27:38:27 □ 萌のバースデー
 昨夜はドローでよかった、盛り上がってるかなと朝カナダ掲示板を見てみた ら、「What a difference good officiating makes!(レフェリーが日本戦と は違って公正だったからいいゲームになった)」とか言ってる連中が依然多く、 これはこれはとため息が出るばかりであった。あまりにもありがちな反応では ないか。結局負ければレフが悪くて、勝てば裁定は正しいのかね。日本戦もブ ラジル戦も、レフなんか普通にしか俺には見えなかったのである。  日本は昨夜のブラジルよりクリエイティブだったから点を取り勝ったわけで、 それを止められなかった経験を学びカナダは一段レベルが上がりここに至った のではないか。ベントらカナダの中盤が初戦よりよかったから、見事ドローを 得たのではないか。ひょっとしてみんな高校大学生くらいの若年なんだろうか。 それともやっぱりプレミアリーグ放送をどれほど見ていても、国内にサッカー リーグが存在しない国、前代表監督が戦術を1つも解説できない国では、こう したファンしか育たないのだろうか。チームカナダはよくやっていて実にえら いが、ファンは愚痴をたれすぎる。 ----------------------  今日は萌のバースデー。MKと三人で歌を歌い、ささやかではあっても楽 しく祝う。萌の初めてのバースデープレゼントが、MKの手作りテーブルと なった。せっかくだからお前の署名を入れてくれよとメッセージを書かせる。 「萌の初めての誕生日に、MK」と、彼はいつもの5倍の努力を傾注し誰に でも読める字を書きいれてくれた。
■ 01/06/03(日) 25:55:49 □ 日本-ブラジル
 トルシエがブラジル戦はサブで行くと語っている。まあたしかにそうするの が普通ではあるのだが、ブラジルに公式戦で勝てる機会なんてそれほどないの になあ(今なら5回やれば3回勝てるかもしれない)と考えていて、ハタと気 がついた。ブラジルに負け2位ならフランスと当たることが分かっていてもト ルシエはサブで行くのだ。つまり彼は中田がいるうちにフランスを破り、この カップを勝ち取るつもりなんじゃないか。おほー\(~o~)/。 ─────────┐ ブラジル戦が始まる。おお、サブとはいえ豪華ではな    都築 │いか、こりゃ今夜も眠れない ^_^;。都築がいきなりミス 上村 松田 服部 │をしたが、日本はオフサイドを頻繁に取り無難な滑り出  明神 伊東 │し。ゲームが速い! 双方すごい詰めの早さ。鈴木の動 波戸    小野 │きが目立つせいだろう、さかんに削られている。くそー。   中田英 │しかしすごい速さだ、日本代表史上最速のゲームでは。  山下 鈴木 │このスピードで、ブラジルを相手にまったく普段通りに ─────────┘最終ラインを上げ切って、パスでボールを前に運んでい る。この日本の自信の高さがすごい。  右サイドのオフサイドラインを破られる! がぎりぎりでシュート2本を止 める都築。よし。これはブラジル側から見ても、たかが日本相手にというフラ ストレーションはたまるだろうが面白い試合になっているだろう。ボール保持 率もほぼ五分、ややブラジルという状態。  時間が経つに連れてだんだんブラジルが、ダイナミックな左右の揺りで押し 込み始めている。ゼマリアの突破とセンタリングがすばらしい。小野が左では ゼマリアは止められない。日本がチーム全体で攻め返しているせいで、守って カウンターのカナダよりも手が合うのか、ブラジル全体の動きが非常にいい。  鈴木がまたファウルを受けてFK。奴は狙われている。これを生かしたい。 駄目か、こういうところでは中村のFKが恋しい。右をコンビネーションで破 られゴール! がこれもオフサイドだった。これはあそこまで持ち込まれても まだラインを保持した、松田の度胸をほめるしかない。  30 分、日本が押し返す時間が激減している。都築のナイスセーブ。この試 合は負けてもいいのだと、チャレンジを続ける選手たちと、この状況を打開す る策を思い切って打つトルシエを見たい。小野に替えて三浦を出すしか策はな いだろうか。  小野-中田の突破から山下初スライディングシュート、枠に入らず。がこの プレーで山下が呼吸を掴みそうだ。ブラジルの圧力が落ちてきた。小野が技術 で左サイドを支えられるようになってきている。 ----------------------  FKからのピンチを都築が防いでハーフ。都築は実によくやっている。ふー。 これはすごいゲームだ、コリアンTVも興奮してます。―――さて後半どうす るか。鈴木が無駄なイエローをもらってしまったので久保に替え、小野は.... 疲れてさえいなければ、失点か得点まではこのまま行かせてみたい(三浦には 実効的な攻撃力がないので)。明神がイエローをもらったのが痛い。稲本を出 すべきか。  しかし韓国のCMに出てくる女の人たちは皆ふっくらしていてかわいい。ネッ ト上で同時に見ているPさんもそう思っているに違いない。 ----------------------  後半、小野と鈴木が下がり、中田コと森島が入った。その手があったか、す ると服部が左サイドか。ひょっとすると中田コがサイドかな。  後半はネットのぶつ切りが多くゲームを追い切れない。ブラジルの方がボー ルを長く持っているが、双方決定的な場面は出ていないようだ。山下に替え中 山。いつものようにボールを引き出し、倒されてFK。中田、ここで仕事をし ろ。失敗。  ブラジルは日本のオフサイドラインをどうしても破れない。ワシントンだけ でオフサイドはすでに二桁になってるんじゃないか? 相手も阿呆だが日本の 最終ラインが素晴らしいデキだ。が攻撃時はボールの保持率が格段に落ち、す ぐに奪い返されてしまう。もう交替カードはない、中田と森島がなんとかする しかないのだ。しかし今はボールを保持しにくい中山の1トップになってしまっ ている様子。  スルーを通されレアンドロがGKと1対1! がこれもオフサイドだった上 にレアンドロが枠をはずす。日本の最終ラインはすごい勝負をしている。攻撃 陣もそれに応えろ。中田のドリブルに切れが徐々に出てきているような気もす る。  ロスタイム。このまま日本は1位確定か。それはそれで素晴らしいのだが、 うーむ。やはりブラジルに勝つというのはそう簡単なことではないか。――― 終了、ふー、さすがはブラジルであった。日本がこれだけ頑張っても、Bチー ムでも負かすことは難しい。まあ考えてみれば公式戦で本気のブラジル相手に 戦い抜いてドローなんだから、これでため息ついていちゃバチがあたるのだが。 それにこれで準決勝はオーストラリア、決勝でフランスと舞台は完璧に整った。 中田が抜けたとしても、稲本・小野が今大会は切れている。
■ 01/06/04(月) 13:05:56 □ カナダ−カメルーン
 朝イチでカナダ−カメルーン戦を見る。カナダは意外にもモーティベーショ ンが落ちてしまっているなあ。カメルーンのボール回しをただ眺めている。カ メルーンの華麗な技を楽しむだけの試合になってしまっている。本当にカメルー ンのボール扱いは楽しい。  しかしこんな試合ではカナダに意味はない。こんなゲームをするならデロザ リオなど、ここまでチャンスがない選手を全員使えばいいのに。カナダのちょっ としたクリアボールが、カメルーンのゴール前で大きなチャンスになったりし ている。ブレナンの上がりも効いている。カメルーンはDFがこんな調子のチー ムなのだろうが、なのにカナダがそれを活かすだけの仕事をしていない。なに やってるんだろうと腹が立つ。  ところが前半も中頃から、ほんのちょっとの努力で効果的な攻撃ができるの で、こりゃ下手すりゃ勝てるぞとカナダにやる気が甦ってきた。当たり前だバ カ者ども。ブレナンが日本戦同様に素晴らしい。こいつはマークされていると 仕事ができないのだが、そうでないときにはカナダチームでいちばん美しいキッ クを持っている。しかしクッシュとコレィズィーンの2トップが非常に悪い。 というかこのレベルのゲームに出られる力はない。なぜこの2人を使うのか。  クッシュに代わりデロザリオが入った。よし....と思う間もなく、カメルー ン左サイドの恐るべき高速突破からのセンタリングでやられてしまう。本山の 2倍速い、あっれは止められん ^_^;。  猛然と反撃するカナダ。最後の勝負パスを出せるクリティカルなゲームメー カーがいないのが痛いのだが、サイドを使って頑張っている。スタルテリが素 晴らしいミドルを連発。こいつがパス能力を高めれば、カナダはだいぶ強くな るだろうなあ。  残り15分、コレィズィーンに替わりペスキが入る。しかし双方すでにペー スが落ちており、有効なプレイが生まれない。というところでカメルーンにP K! うーん、厳しい。たしかに抜かれてしまい、脚は当たっているが、これ は別に取らなくてもいいだろうというPK。このカップまったく仕事をできな かったらしいエムボマがこれを決め、ゲームは終わった。  このゲームに関しては、経験を積むのか1勝を狙うのか、オジェックに迷い があったように思われる。勝つためにはクッシュみたいなレベルの選手なんか 入れてる場合じゃなく、いちばん威力のあるペスキとサウザを投入すべきだっ た。選手生命の終わりを迎えているコレィズィーンを引っ張ったのも分からな い。こういう意図が分からぬ采配が、選手たちの序盤のやる気のなさにつながっ ていたんじゃないかと思う。はーあ。終わってしまった、カナダのコンフェデ杯。 ----------------------  準決勝、新聞によるとオーストラリアの主力が、『親族の結婚式出席のため』 帰国してしまったらしい。うそお。だいたいキーウェルとビドゥカが「バカン スと休養」という理由で来てないこと自体が妙なチームだなと思っていたのだ が、へんな国である。こうしてチームのクオリティを証明できる唯一の機会を 無にして、WCだけは「俺たちはアジアや CONCACAF より強いのだ出してくれ」 と騒ぎまくっても、誰もまじめには聞いていられないよ。たしかにメキシコは 破ってみせたが、韓国には負けているのだし。日本はこのチームを相当へこむ 勢いで粉砕してもらいたい。
■ 01/06/07(木) 15:05:15 □ 父母到着
 ついに父さん母さんがバンクーバーに着く日。車で迎えに行くだけなのだが、 すんなりコトが運ぶだろうかとなんだか緊張する。  昨夜は日本-オーストラリア戦だった。「日本はファウルをもらおうと演技 をする」などというデマを豪側が流し、中山の「ダイブ」を根に持つカナダファ ンは試合前それみたことかと狂喜していた。実に長いこと根に持つなあカナダ ファンと呆れるとともに、日本にいる英語記者からこういうネガティブな談話 ばかり流れてくるのは、いったいどういうわけなんだろうと考えてしまった。  カナダ敗退後にフォレストが「日本の人々はすばらしく親切で礼儀深い、我 々も見習わなければ」と語っていた通り、カナダが非道な扱いを受けていたは ずがないのである。ホテルが小さくてタバコくさかったのは事実だろうが、そ れはアウェイの仕打ちなどではなく不手際とインフラの未整備なのだ(ホテル を決めたのは FIFA だし)。どうしてハナから日本に対してこうネガティブな 態度を持って取材し、読む側もそれを真に受けるのだろうか。長野オリンピッ クのときにも似たことはあったのだが、やっぱり「異質なりアジア」と捉えら れているのかもしれない。  ともあれそんなわけで余計に豪州を粉砕してもらいたかったのだが、とてつ もない大雨になり、重馬場での馬力で圧倒され終始守ってのカウンターに終わっ てしまった。守備は安定し後半の中田のカウンターはものすごかったのだが、 圧倒された事実を払拭するには2点差はほしかったので、すっきりしない。決 勝は晴れてくれと祈るのみ。  豪州の流したデマは効いて、日本はレフェリーが取ってくれないハードタッ クル&ラフプレーにも苦しめられたようだ。ネット中継では分からなかったの だが、デマを流したポポビッチ自身がラフプレーと演技を連発していたそうで、 こうなるとお互いを理解不能な文化摩擦としかいいようがない (=_=)。
■ 01/06/09(土) 26:17:53 □ 決勝を前に
 父母滞在はごく順調に楽しく日程を消化中。2日目はプールとホームデポ見 学、そして今日は家族全員集合。毎日が非常に疲れるが、よい日々である。父 さんはカナダの親戚にまた会えてうれしくてたまらず、母さんは萌がかわいく てたまらない様子。 ─────────────┐ 今夜はフランス戦。見たくてたまらない。あ 川口 │と 30 分でキックオフ、スタメンが発表された。 松田 森岡 中田 │3ボランチで1トップという、前回大敗したと 波戸 伊東 戸田 稲本 小野 │きと同じフォーメーションにトルシエは戻して 森島 │きた。この意図はなんなんだろう。西澤がここ 西沢 │までポストで目に付く仕事をしていないことも ─────────────┘あり、不安を感じる。鈴木がいなくなった以上、 西澤の爆発を期待するよりほかないのだが。  いいやもう、見てしまえ。―――ぐわまたも大雨!
■ 01/06/10(日) 23:28:39 □ 決勝フランス戦
 昨夜、前半は小野を基点にいい出来で(どれだけ押されてもきちんと戦って いた)、リードされたとはいえ後半小野を真ん中に移動したのには興奮した。 小野の能力にトルシエは勝負を賭けるのか。だがしかし稲本を抜いて三浦を入 れるというのはちょっとあまりにも没に終わる確率が高いなと思っていると (三浦が速くてうまいのは事実だが、タイミングが悪いのでハトよりも突破力 がない)、以後まったくなにもできなくなってしまう。小野を真ん中に置き稲 本をサポートにつけるなら分かるが、伊東と戸田じゃボールを前に運ぶ能力が まったくないのだろう。  久保が入り中山が入る頃には、こんなんで勝てるわけがないと実に空しい気 持ちで見ていた。誰が彼らにパスするのだ。誰もいない。寝てしまおうかと思 うほどだった。ユース、オリンピックに続く、ここ一番でのトルシエ空しい采 配であった(交替しないよりはマシだけど)。だがしかし、これも彼と日本の 経験となって積み重なるのだろう。この大会、記者会見中の何度かは除いて、 トルシエはメンタル的にいい状態だったようだし。 ----------------------  今日は最終日、近くのモール群を回る。おみやげは特に買わなかったが、中 華スーパーなどで楽しんでもらえたはず。母さんともたくさん話せたし。なに かあれこれと日々のぼやきが出てくるかなと予期していたのだが、話を振って みてもぜんぜんネガティブな話は出てこなかった。最近は腹を立てないように、 心穏やかに暮らすよう心がけていると言ってはいたけれど、本当にいい精神状 態であるようだった。父さんの泥酔やとんちんかんにも一切怒らなかったこと もあるし、Mと俺は実際感心してしまったよ。えらい。  Mは、萌が二人をすぐ好きになって本当によかったわといっている。心配し てたのよ。たしかに、父さん母さんが楽しい時間を過ごせていたのは、萌のお かげ。
■ 01/06/11(月) 25:01:31 □ 見送り
 朝8時前に起こされ、9時出発。問題なく予定より早目早目に進行し、フラ イトまで2時間を余してチェックインも終わる。もう特に話すこともなく、ス タンドでサンドイッチとコーヒーなどを食べる。いい旅行になってよかったね え。  ここから先は私は行けないよと出発ゲートで見送り、姿が見えなくなるまで 俺は立っていた。ときおり振り返りワイパーみたいに強く手を振る二人。何度 目かに振り返ったときにはもう、二人とも泣いており、俺もたまらない気持ち になる。はあ....。日本は遠い。元気でいてください。

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