スタンドを仰ぎ見る男 (Canada対 Costa Rica)
Subject: Canada's WC Qualifier - VS. Costa Rica
From: Tomohisa Sakata (sprynet.com)
Newsgroups: fj.rec.sports.soccer
Date: Mon, 02 Jun 1997 01:40:27 -0700


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 ┃ カナダWC予選第5戦  ┃
 ┃      コスタリカ        ┃
  ┗━━━━━━━━━━━━┛
  本日カナダの野牛のふるさとエドモントンで、WC予選対コスタリカ戦
 が行われました。私は明日に締め切りを控えた仕事がどうしても終わらず、
 TVを横目で眺めながら仕事を......いや逆だ、仕事をしながらTVを眺
 めての観戦となりました。

  コスタリカは初戦でメキシコと引き分け、次いで USA を破るという華々
 しい予選のスタートを切ってるんですが、その後カナダと引き分けたエル
 サルバドルに負けるという不可解な戦績を残しています。その二国とジャ
 マイカを併せた三国がお互いにじゃんけんのごとく星をつぶし合ってくれ
 ているので、カナダはまだ1勝もしてないのにポイント上はその後あまり
 離されていないという幸運。私の知らない間に、【このゲームに勝てばい
 きなりビリから中位に躍進】なんていうことになっとるのでした。はっき
 りいってレベル低いのか CONCACAF(北中米)グループ :−)。

  カナダはFWペスキソリドをはじめとする主力が3人、サスペンデット
 や所属海外チームの都合で出られず、監督も選手も暗い顔をしています。
 「頼みの綱はここ、エドモントンの観衆だ。カナダ代表はこのスタジアム
 で負けたことがないのだ」とか言ってます。そんなこと言ってもなあ。と
 もあれそれしか頼るもののないカナダ、試合開始。

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  おおなんだ、コスタリカのDFがなんかへなちょこだぞ。中盤の詰め方
 や短いパス回しなんかはうまいけれど、スピードでカナダに押しこまれて
 います。これは勤勉に危険エリアにボールを運んでさえいれば、カナダが
 点を取れるかも。

  特にコスタリカの右サイドがスカスカです。1対1でカナダ選手が全勝
 している。こんなの見たことないぞ。いつもと変わらぬ拙いドリブルで、
 それなのにカナダのウィングが抜いてしまうのは何故なのだ。左から右か
 らいいセンタリングをほうり込んでいます。そしてGKもヘボっぽい、簡
 単なボールをあたふたとファンブルしております。20 Min、左からゴール
 前でフリーのカナダFW・Bunbury にセンタリングがつながる、打て!あ
 あオフサイド。残念、しかし Bunbury をゴール前でフリーにしてくれるな
 ら、いくらなんでも点は取れるぜ。......仕事を続けながら見ようと思っ
 たけど、これは無理だ :-)。

  ともかくカナダの左右ウィングのスピードが効いています。中盤でのボー
 ルの奪い合いも制しているし、DFもきっちり相手を抑え、そしてGKは
 鋭い飛び出しで無茶広い守備範囲。コスタリカの見るからに自信満々俺様
 野郎FWのシュートを防いでいます。全体のボールキープ率も非常に高い
 し、これは確かにカナダ、バンクーバーでやってるときよりはるかに調子
 がいいな。やっぱりTVが言っていた通り、エドモントンのカナダは別物
 なのでしょうか。

  コスタリカの鋭い組み立てからの弾丸シュートをGKフォレストが見事
 セーブし、カナダもいいチャンスがあったもののあと一歩が決められず、
 結局無得点で前半終了。コスタリカも一瞬のチャンスメイクはさすがにう
 まいものがある。先取点を取って守備を固めたいところです。守備固めの
 下手そうなカナダではあるのですが。

    ----------------------
  今日はトロントで、あのオリンピック 100M チャンプのドノバンベイリー
 とアメリカの 200M 王者マイケルなんとかが、150M で競走をする日でもあ
 りました。友人たちは集まって、カナダの威信を賭けて応援するのだとか。
 そんなの個人対個人の競走ではないか、カナダの威信ならエドモントンの
 コスタリカ戦のほうがよほど重要だろう......と思うのは私だけか。

  やはり仕事をせねばまずいとキーボードに向かいながらゲーム後半を見
 ていると、カナダが前半よりもさらに押し込んでいます。コスタリカのゴー
 ル前で延々と続く攻防。なぜだ。カナダは落ち着いていて、ボールが脚に
 ついている感じ。そしてコスタリカもうまいはずなのに、どうということ
 はない。いったいコスタリカはどうやってメキシコに引き分け、USA に勝っ
 たのでありましょうか。不思議だ。それともこのエドモントン・コモンウェ
 ルススタジアムが、外国のチームが実力を出せない特別な場所なのでしょ
 うか。オリンピック予選のときも、寒いこのスタジアムで中米のチームが
 全然動けなかったしな、そういえば :-)。

  そしてトロントでのベイリー勝利の報と時を同じくして、カナダに待ち
 に待ったゴール! 右を突破したウィングのボールがコスタリカゴーリー
 の指先をかすめてファーサイドへ転がり、駆け込んできたカナダMFが押
 し込みました! やった〜っ! 予選始まって以来の初得点、コモンウェ
 ルススタジアムが揺れています!

  そしてそのままピンチもきっちりしのいで、ついにカナダの初勝利となっ
 たのでありました。ホイッスルが吹かれた瞬間、くるりとスタンドに向き
 かえり、観衆に向かって両腕を掲げて微笑む Lenarduzzi 監督。───そ
 うだ、エドモントンの観客はあんたを信じていたね、監督。引き分けに終
 わった試合後に監督更迭論の嵐が巻き起こったバンクーバーとは、たしか
 に違う種類の観客がそこには集まっていたのかもしれません。

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 Team            GP   W   D   L   GF   GA   GD   PTS
 Mexico           4   2   2   0   12    2   +10    8
 Costa Rica       5   2   1   2    7    6   +1     7
 United States    4   1   2   1    7    5   +2     5
 Canada           5   1   2   2    1    7   -6     5
 Jamaica          5   1   2   2    2    9   -7     5
 El Salvador      3   1   1   1    2    2    0     4

  そしてこの順位表をご覧ください。4戦無得点だったカナダが、たった
 1点で4位まで躍進です。笑っちゃうよ。これで全顔あわせが済んで、残
 り試合が以下の通りですから、ホームの2試合をなんとかし、アウェイの
 3試合のなんとかすれば可能性はあるぞという感じになってきました。

 07/09/07  Jamaica vs. Canada (Kingston, Jamaica)
 14/09/97  El Salvador vs. Canada (San Salvador, El Salvador)
 12/10/97  Canada vs. Mexico (Edmonton, Canada)
 09/11/97  Canada vs. United States (Vancouver, Canada)
 16/11/97  Costa Rica vs. Canada (San Jose, Costa Rica)

  もちろん他チームがここまでのように獲得ポイントを散らしてくれれば
 の話で、メキシコ以外のどこかが本格的にポイントを積み重ね始めるとど
 うにもならないんですが、本命視(除くメキシコ)されていた USA でさえ
 全然あかんし、その次と見られていたコスタリカもこの程度。ならば、あ
 とはカナダの頑張り次第です。アウェイとバンクーバーでの試合で、今日
 くらいよいサッカーを見せておくれよ、カナダ代表。


From: Tomohisa Sakata Newsgroups: fj.rec.sports.soccer Subject: Re: Canada's WC Qualifier - VS. Costa Rica Date: Mon, 02 Jun 1997 13:50:45 -0700  サッカーとは関係ないのですが─── /~~ In < Canada's WC Qualifier - VS. Costa Rica >, Tomo Sakata wrote: >  今日はトロントで、あのオリンピック 100M チャンプのドノバンベイリー > とアメリカの 200M 王者マイケルなんとかが、150M で競走をする日でもあ : >  そしてトロントでのベイリー勝利の報と時を同じくして、カナダに待ち > に待ったゴール! 右を突破したウィングのボールがコスタリカゴーリー  書き忘れておりましたが、このレースで勝ったベイリーが、怪我でレー スをリタイアしたマイケルジョンソンに対して「あいつは負けるのが怖く て怪我をしたフリをしたんだ、憶病者めが」とまくしたてたそうですね。 サカタ家の特派員は友人宅に集まってこのレースをTV観戦していたんで すが、その発言を聞いてカナダの人々は皆真っ青になり、凍り付いてしまっ たとのことです。なんたる非スポーツマン的発言。  このレースはカナダにとってはサッカー日韓戦のような意味を持つレー スでありまして、常日頃いろいろと鬱憤の溜まっている相手・ステーツを 倒すのだと人々は盛り上がっていたのですが、このベイリーのとんでもな い発言で完全に引いてしまったようです。世界最速どころか、ベンジョン ソン・ドーピング事件以来の国辱だわこれは、と。その夜のニュースを特 派員はチェックしてたんですが、カナダのニュースはすべてベイリーの発 言をカットして、さっとレースの映像を流して終わらせていたらしいです。 USAサイドではどうだったのかな。  というわけで、スポーツマンは『Be a sport!』、勝っても負けてもいさ ぎよくいきましょうというお話でした :-)。

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