犬のガクと野田知佑
From: Tomo Sakata
Newsgroups: fj.rec.pets
Subject: Re: カヌー犬ガクを殺したのは誰
Date: Fri, 09 May 1997 14:46:37 -0700
Thanks To: MURASE san
■□ カナダに住むサカタと申します
/~~ In <5krp5b$d3e$1@news.tokyo.mbn.or.jp>, MURASE san wrote:
> テレビ、映画、小説でお馴染みだったガク君が亡くなりました。
> 享年13歳とか。
> 冥福を祈ります。
ああ、がっくり、残念 (=_=)。飼い主野田氏の書物を通じて、彼につい
ての楽しい物語が僕の記憶にもたくさんあるのです。
> 情報によりますと、死因はフィラリアだそうです。
> もしこれが本当なら、とんでもないことです。
> 昔ならいざ知らず、今時、フィラリアで飼い犬を死なすなんて、犬大好き人間のす
> ることではありません。
>
> フィラリアは確実に予防できます。
> 多少はお金は掛かりますが、それを厭うなら犬を飼わないことです。
> 不幸にして罹病しても、治療することも可能です。
> 重症でも手術することもできるのです。
> もし椎名氏がそれを知らなかったのであれば、無知がガクを殺したことになります
> 。
>
> フィラリアの感染は、血液検査で簡単にチェックできます。
> 予防を始める前には、血液検査をすると思いますが、もしまだでしたらすぐにどう
> ぞ。
> 年一回の血液検査は、健康診断にもとっても有効です。とくに歳を取ると共に。
> もし椎名氏が健康診断もしていなかったなら、怠慢がガクを殺したことになります
里親椎名氏をはじめ、周りの人間もさぞやがっくりきていることでしょう。
この記事のサブジェクト【カヌー犬ガクを殺したのは誰】を見てぱっと
連想したのは「ガクがカヌー事故に遭ったのか?!」ということで、ついで
『人間のエゴによってガクは殺された、犬は地上で綱付きで散歩させるか
室内飼いに徹しなければならないのだ』と糾弾が展開されてるのかなと思
いました :-)。
以前から MURASE さんの「放し飼い猫撲滅運動」の記事を見て思ってい
たのですが、MURASE さんはここ fj 内では、ペットを社会的存在として捉
えて語っておられるようですね。パーソナルな思いはこういう公共の場で
の議論に適しないと考え、出さないようにしておられるのでしょうけれど。
この犬ガクはそういう社会性から、おそらくもっとも遠いところにいる
日本の犬だったと思います。彼がこういう犬社会常識に反した死に方をし
たのは、残念ではありますが、飼い主野田氏とガク自身にとっては胸で受
け止められる運命の範疇だったろうなと想像します。個人的な生き方がな
によりも大切であった二人のライフにおいては。
フィラリアにかかった犬とその飼い主を僕も知っていますが、飼い主は
彼女が呼吸が苦しく強く走れなくなった(病気を持ちながらも長生きして
ました)ことをいつも嘆いていました。「あいつは本当にきれいなフォー
ムで走る犬だったんだよ。かわいそうなことをしちまったよ」。彼は、な
にが彼女にとってのしあわせなのかを知っていたんだと思います。野田氏
もおそらく同じような思いでいたでしょう。
失われたものを惜しむ気持ちが、時間をさかのぼって必要な措置を的確
に行えるならば、この世界はすばらしいのですが。なかなかそれも(ため息)。
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