高橋源一郎の怪
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■ 97/01/07(火) □ パフィーと奥田の新曲を聴く
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Pさんに教えてもらった Real Audio サイト、パフィーと奥田民夫の
知らない曲だ───! ついに「聴いたことのないもの」がネットで聴
ける時代になりました、ありがたやありがたや (;_;)。
/~~ In < Re: 日本のラジオ> , P san wrote:
>> 奥田民夫(プロデューサー)天才だな、こんな一般の人になじみのない、
>
> 彼って、昔温泉ドライブ行ったとき、トモさんがイチオシ
> してた奴ですよね。あがた森男と一緒に・・・。
> 元々は陽水に見出されたとか。
そうそう。パフィーの歌の歌詞は陽水が作ったそうです。陽水もすごい
ですよねー、いつまで経っても。
あのラジオに入ってたパフィーの「これが私の生きる道」という曲は、
ビートルズと歌謡曲をベースに誰も聴いたことのないメロディを工夫して
作ったように聞こえました。あれがヒットしたんでしょうから、今の小学
生は「♪この頃私たち、いい感じ〜」と歌ってるんだろうなあ (笑)。面白
い時代ですよねー。
まあ昔の僕たちだって小学校高学年にもなれば歌謡曲なんて聴いてなかっ
たと思いますけど(───掃除をさぼってガロや陽水を歌って教師にビン
タされた記憶がある、くそ人の顔を好きなように叩きやがってあの教師ど
もめ、軍隊帰りか・笑───)、歌謡曲と小室系しかないのではあまりにも
子供たちがのちのち思い返して不幸だというところを、パフィーがカバー
してるんじゃないでしょうか。奥田や陽水は面白いからやってるんでしょ
うけど、そういう憂国の情が込められてる部分もあるんだと思います。
> これのせいで私はまたまた短波ラジオに興味が湧いてきまして、
> ラジオジャパンのWEBに行って番組表を見たのですが、なかなか
> どうして面白いラインナップなのです。スポーツニュースも
> あるし、これからは短波ですぜ。短波というと日本では競馬か
> 株式と思われがちですけど・・・。
いや思われがちって、競馬が入ればいうことないですよ私 (笑)。
>> しかしこうして日本のラジオを聞けるのはしあわせです。しょっちゅう
>> 新しいのをアップしてくれたらうれしいな。お知らせありがとうございま
>> した。Pさんは私の Internet 師匠です :-)。
>
> いやはや。
その控え目な態度 :-)! 教師の鏡です、おやすみなさいませ。
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■ 97/01/10(金) □ 高橋源一郎の謎
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│ 日本サッカー協会は十日、二月九日からタイで開かれる国際親善大会・キ
│ングスカップに出場する日本代表二十四人を発表した。新たに加わったのは、
│北沢豪、中村忠(ともに川崎)、藤田俊哉(磐田)、黒崎比差支(鹿島)、
│川口能活(横浜マ)の五人で、いずれも元代表。
結局前園ははずされなかった。出ればそれなりの仕事はするだろう
が、それなりの仕事ではフラストレーションがたまる。藤田といいとし
て、北沢の復帰はどうなんだろう。後半に入れてテコ入れをする存在と
して、本田より攻撃力があるという感じだろうけど。それと経験と。
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Nさんの本セットが届いた! うう感激。
To: N様
Subject: See You At the Tokyo Racecourse
本が届きました。ああすごいすごい、すごいぞ。これは時間をかけてゆっ
くり楽しもう。何冊かを抱えて旅行に出れたら最高なんだけどな。直子さ
んの「アリス」以外は見たことのない本ばかり、すごい、本当にありがと
う。そして包みに一葉の賢そうな少年の絵ハガキが。このカメラのこちら
側で、この子の両親が笑っているのでしょう :-)。
とりあえず源一郎君の本を開くと、なつかしいテイオーのJCストーリー。
あれは何年前だったのだろう。ヒシアマゾンを応援しにサンタアニタに行っ
た時、この源一郎君の話を思い出していましたよ。というかもう完全に気
分は源一郎。その場にいた競馬ファンにやたらと話し掛けてました。
結果手に入った唯一の源一郎的ワードが、「日本からいい馬が来るはず
だったんでしょ、残念だったわね」という言葉でした。無念、無念すぎる。
あれは、「オーマイゴッド、日本の馬も強いわね!」となるはずだったのに
な。
この一文が、日本の競馬の一部をぐいっと方向転換させたのかもしれな
いと改めて思います。批判されながら苦しい挑戦を続ける森厩舎や藤澤厩
舎には、あのときテイオーがくれたよろこびと高まりこそがほしいのだと
いう気持ちがきっとあるんだと思いますが、あのときの僕たちのよろこび
は最適な詩人によってこうして保管庫に収められ、僕らの胸にもそのコピー
が一部ずつ置かれたのでした。サンタアニタで僕がアホのように人々とコ
ミュニケートしようとしていた心や、調教師やユタカや岡部たちの心はみ
な、この一文につながっているように思えます。
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やっぱり、僕はジャパンカップをスキップする馬たちは愛せないかもし
れないな。どんなに事情は察するとしても。
1989 年秋のG1を見て競馬に夢中になり、競馬本ならなんでも読みたい
という熱狂時期(あの頃は今思い出しても楽しさに満たされていた :-) の
ごく初期に古本屋で手に入れた本が、ジャパンカップの 10 年をまとめた
藤野広一郎の『ブランデーの香りを』だったのです。あまりにもラッキー
な出会い、JCがいかに特別なレースであるのかが完璧に分かってしまっ
たのですよ。「お前第1回から見たんか〜」と言われても、「見たのとほ
ぼ同じことである」と胸を張れるほどに :-)。
その特別なレースをまた見たいです。「Tokyo」でナチュラリズムに勝っ
た、僕たちの馬が恋しい。そしていつかあらわれて、また別の特別なレー
スを勝ってくれる僕たちの馬が恋しい。それは彼の子供たちかもしれない。
では、また、ロンシャンで。
....なんてことはちょっとありえそうもないので、東京競馬場で :-)。
さっそく源一郎君から読み始めたのだが、のっけからざーっと音を立
ててなにかが体の中を横切って行くような感覚を味わった。昔「優駿」
で読んだ記事、当時たっぷり感動した文章なのだが、長い時間を隔てて
あの感動を忘れていた。そしてそれがすごい強さで甦る。
どんどんと読み進めていると、なんで源一郎君はこんなにも外国競馬
に詳しいのだと驚くばかりだった。Gallop の連載でときたま見かけて
いたけど、こうしてまとめて読むと信じがたい知識量と交友の広さであ
る。日本という外国から注目されにくい競馬ローカルから出発している
わけだから、この知識は世界屈指なんではないだろうか。小説家だと思っ
ていたが、いったいこの人は何者なのだ (笑)。
イギリスの伝説的ギャンブラーの話が載っていた。日本の株の売買を
元に億万長者になり、ものすごい賭けを行い素晴らしい馬を買い、そし
て日本の株の暴落と共に消えて行った男。彼がその財産の中でなにより
も愛した牝馬が、皮肉にも日本人に買われて行く。イギリスの競馬マス
コミはのちに、その牝馬が偉大な子を生んだことにより彼の馬を見る目
は正しかったのだと知る。その子の名は、ヒシアマゾン。
──── \(@_@)/!!!! 鳥肌がたち、興奮してMにばーっと話して
しまった。「わお!」「わおだろう? 知らなかったんだよ、ぼくは」。
信じられない、彼女がこんなストーリーを持っていたなんて。日本のファ
ンにとっては常識だったのだろうか。
ああ、そんな特別な馬だったなんて。今年も走るとのことだけれど、
有馬の様子ではもう牡馬を相手にしなかったあの強さは消えかけている
らしい。彼女の現役続行を、どう受け取ったらいいのか分からない。
しかし、いやはや驚いたよ源一郎君。たまげたあるよ。
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