Cranky さに慣れてくる

■ 00/06/23(金) 11:36:23 □ トルシエ戦術の本領を理解する
 萌がベッドでうごめくので眠れず、リビングでジャマイカ戦を見ながら寝た。 やはり彼女専用のベッドが必要だと思う。  フランス戦で自信をつけた日本は、完璧に相手よりクラスが上のサッカーを やっていた。長いグラウンダーがぱしっと前線の選手の足元で止まり、ジャマ イカが寄せる前に次へのアクションが起きている。中田・名波・中村からアイ デアのある攻めが生み出され、フィニッシュする選手にジャマイカDFを上回 る技と速さがあれば1点、というところまでスパスパと心地よく進んでいる (*)。フランス戦ではあまりに相手が強くて、ここまで進んでいるのだとは分 からなかったが、ついに加茂岡田全盛時代よりも高いレベルに進んだんだなあ と思う。   (*) 城はそこまで持っていくのが実にうまくなっているなと思ったが、 「技があれば1点」というところでは持って生まれ育った才能の限界を感じ させる。前半右に抜け中田のパスを受けた場面で打てなかったのは、この先 スペインでもさほど出番には恵まれんだろうなあと思わせる。中村はシュー トまであと一歩の挑戦という壁と戦っているようだ。  西部謙司の解説を今朝読んで知ったのだが、『トルシエはボールポゼッショ ンのトレーニングに多くの時間を割いてきた。トルシエ監督のいう「オートマ ティズム」である』というのが、このスパスパのパス回しのことらしい。なる ほど、一流の外国コーチを雇うとはこういうことだったのだなー。  森岡がオーバーラップしてセンタリングまで行ったシーンも、流れるようだっ た。DF陣を含め徹底して若く技術がある選手を揃えたのはこのためだったの かと納得する。1対1の強さで秋田・井原より森岡・松田の方が上であるわけ がなく、なぜに選ばれてるのか不思議だったのだが、彼らが上がっていくとき のパス&ドリブル&コース取りのスムーズさを見れば、「攻撃にもたまには参 加しろと言われてるので、思い切ってやってみます」という感じのわざとらし さがない。展開的に行けるときに技術的に可能なことをやっているという、そ の自然さに感心する。まさにスパスパ時代のニューエイジDF。選手のタイプ としてはあんまり好みではないのだが(もっと速く強くイカツイDFの方が見 ていて安心するから)。  この試合を見れば、トルシエの指導力が非常に高いことはおそらく間違いな いだろう。この「オートマティズム」をもっと高め、フランス相手にでもより 早く正確にプレーできる境地を目指してほしい。それとオフサイドトラップ裏 取られの対処策も磨いて(裏へパスを出す選手を抑えるしかないんだろうな)。 後はただ、あの性格の滅裂さをなんとか制御できるよう、脇から誰か (彼と対 峙できるだけの見識を持ったひと) にサポートしてほしいのだが、期待の山本 コーチらはすでに辞任を決めているという報道。この点の先行きは暗そうだ。  カズは、味方がボールを持つと「あそこで俺にくれ」と必ず指示を出してい る。あれは相手にも見えてしまうので高いレベルになるとよくないのかもしれ んが、あれによって今回の得点シーンのようにチームに出てくるダイナミズム は気持ちいいなあといつも思う。性格のおとなしい若い世代の選手は皆、ああ いう大時代な役者的ニオイを見習ってほしいと思う。無理か。
■ 00/06/24(土) 12:19:12 □ Cranky さに慣れてくる
 昨夜は非常によくない夜で、萌がMをまったく寝かせてくれなかったらしい。 ヘルプに来てくれたM母BRに朝萌を預けて、Mと俺はもう少し寝る。また泣 かれて 11 時に起き、直後の泣きは俺の役目となり、30 分あやすが泣き止ま ず。いい加減にせよといいたい。ふー。 ----------------------  Cranky (不機嫌) 萌の機嫌は一向によくならず、Mの胸に吸い付いている時 間以外はほぼ全面的に泣き続ける。飯を食う間寝ていてくれたのは助かったの だが、ほんの 45 分でまた絶叫が始まる。今日1日で、泣いていなかったのは 数時間しかないだろう。  しかしなんか俺もMもだんだん慣れてきて、これは別に苦しいとか痛いとか ではなく、BRもいうようにただただミルクをくれといってるだけだなと分かっ てきた。単に待つということと、どれくらい腹が減ってるのかによる泣きの加 減などが一切できないだけの話なのである。そう思うと腹が据わり、萌が泣い てもうろたえることはなくなった。泣き過ぎにならんよう気を付けて (窒息し そうになるから)、ただただあらゆる抱き方・ゆすり方・掛け声を試し続ける。 腕の筋肉が持つ限り、1時間だってやっていられるなという気がしてきた。そ のうち疲れて泣き止んでくれればよい。これがベイビーと付き合う唯一の方法 なのだろう。
■ 00/06/28(水) 11:31:34 □ おとなしい萌
 恒例となった水曜のブレストフィーディングクリニック。今日のナースはM に有用な情報をたくさん与えてくれた。授乳時の胸の痛みはイースト感染かも しれない、クリームで劇的に改善することがあるといわれ希望が湧く。その間 も帰りも萌がずっと寝ていてくれたので、帰りに Tim Hortons で飯を食う。 萌を連れて外食したのはこれが初めてである。いつもこれだと実にいいなあと 思い、もしかしたら 3 週間を境目にいい子に生まれ変わったのではないかと 希望が湧いた。今日あったナースによると、3週間、6週間、3ヶ月目に大き く食欲が増すことがあるそうで、それに近いなにかが起きているのでは。  Tim Hortons に、カナダではほとんど飲めないアイスコーヒー(ほんとはコー ヒーシェイクだった)が入った。真夏の暑さの中、サンドイッチを食べアイス コーヒーを飲んでいると日本みたいでサマーフィーリングでシアワセだ。 ----------------------  帰ってもミルクをあまり飲まず、泣き声の威勢も悪いので、これはおそらく 夏負けだな、疲れているんだなと推測。このところ暑い中ずっと泣き続けて抱 かれ続けていたので、さすがに消耗したのだろう。夜になってから本格泣きが 復活し一安心。すなわち、いい子幻想も消えた。  だが今日はたまたま腹が満ちていたからなのか、俺が「おお・おお・おお」 とMのあやし方からヒントを得た馬鹿声つきでゆらすという方法で4度中3度 寝かすことに成功し、4度とも泣き止めさせることができた。昨日までは泣き 止まないなら勝手にせよ、だけど俺はいつまででもあやし続けてやるぜとほと んど敵対心を持ってゆすり続けていたのだが、こうして思う通りになってくれ るとかわいさが増してくる。明日以降もこれが効けばいいのだが。
■ 00/06/29(木) 11:58:29 □ P家でヨコヅナタッチ
 今日は涼しい日。P家に行くことに決定。いろいろとプレゼントをもらい写 真を撮って、楽しかった。  夜更かしをし借りてきたPテープでダービー。ユタカの馬ががーんとよれて も、ひるまず追い続ける河内とアグネスフライトの勝利には鳥肌が立つものが あった。そしてJリーグ。毎日 Euro で世界最高峰のサッカーを見ているので、 久々にJリーグを見ると選手のプレスと飛び込みの悪さにイライラさせられる。 俺は日加のレベルの低いサッカーには非常に甘いのだが、きちんと間合いを詰 め、相手に前を向かせず攻撃を遅らせるのは技術のない日本選手にだってでき るせめてもの努力ではないか。ボールを持った選手を 1m 以内に詰めていなが ら眺めている選手なんていうのは、技術ではなくマインドに問題があるとしか 思えない。  西澤が前期最終戦で取った点はすごかった。あいつの運動神経は並みではな いと思う。
■ 00/07/02(日) 19:26:07 □ 1ヶ月誕生日・ベイビーシャワー
 萌の1ヶ月誕生日、ベブ家でベイビーシャワーをしてもらう。大雨の中出か けねばならず気が重かったのだが、NW から川を渡って Surrey 方面に抜けた らぱーっと晴れてしまい驚いた。LDに聞くと、川向こうは山際から離れるの で気候がドライらしい。長いドライブで嫌だなと思っていたのだが、晴れて空 いた郊外の道を流していると気持ちいいので苦にならず到着。  BV家のボーイズが、新しく加わったイトコを争って膝の上で抱き、俺たち はそれをずっと笑って眺めていた。なんで子供のくせにこんなにベイビーに興 味があるのか分からないが、皆プールで遊んでいるとき以外はずっとベイビー にまとわりついていた。かわいい連中である。が萌は訪問の間完全に寝っぱな し。少しは起きて周りを楽しませ、それにより疲れて夜はゆっくりと寝てほし かったのだが。 ----------------------  Euro 決勝、予想に反して非常に静かなゲームになっている。なぜか 25 分 から放送が始まったのだが、30 分までイエローさえ出ていなかったらしい。 ジダンにマークも付いてないし、そのジダンの活躍も見られないし、どうした ことか。結局ジョルカエフの1本くらいしか決定的なチャンスは生まれず前半 終了。どちらも堅くなっているんだろうか。歩いている選手が多い。フランス は今一つ危険度のないデュガリーとジョルカエフを出しているのがリズムに乗 れない一因かもしれない。対するイタリーは猟人インザーギではなく、異能ス トライカー・デルベッキオが出ていて期待できる。  後半両チームともにまともにペースを上げ、そのデルベッキオがきれいにゴー ル。トッティからのシンプルで美しい組み立てであった。トッティはさほどす ごい選手だとは思わないが、シンプルに攻めるイタリーのサッカーにはよく合っ ているなあと思う。今のイタリーには、ボールを持ったときに輝くバッジョな どの華麗な選手は合わないのだろう。  フランス怒りの反撃が始まり、これで面白くなる。がどうしても波に乗れな いフランス。これがイタリーという難儀なチームを相手にする苦しみなのかも しれない。ジダンも後半終わりに近づきようやくらしいプレーが出るようになっ たが、いつものスーパーなプレーは見られない。これはイタリーが勝ってしま うようだと誰もが思い、ベンチの選手が飛び出す用意をし始める。イタリーの ほうがひいきではあるんだけど、これで終わってしまってはつまらないなと思っ ていると、いい案配にフランスが追いついた。  延長はフランスが押し込み、すでに3人交替を終えているイタリーには打つ 手なし。決まるのは時間の問題と思える。デルピエロを出したのが失敗だった としか思えない。怪我をして以後のデルピエロはどこの国のAMFよりも力が 下なんじゃないか。ドリブルでは前に持っていけず、パスは後ろ目につなぐこ としかできず、シュートは弱々しい。デュガリーとジョルカエフを引っ込めて もまだトレセゲを使える手を残しておいたフランスと、デルピエロに加えて 「最後だから」的にこれまで出ていなかったモッテッラまで出してカードを出 し切ってしまったイタリーとの余力の違いが感じられる。そしてトレセゲのゴー ルでゲームは終わったのであった。フランス黄金時代だ。
■ 00/07/04(火) 12:09:56 □ すべてが改善していく気配
 昨夜Mに最後のミルクをもらった後、萌はまたガスで泣き出した。Mを寝か せなくてはとあわてて俺が別室に連れていき、抱いてゆすってやっているとガ スが抜けたらしくおとなしくなる。布団に寝かせて、俺が歯を磨いたりしてい るうちに彼女は寝てしまった。まあすぐにまた起きるのだろうと本を読んでい ると、どうも眠り方が安らかである。これはもしやと思い、電気を消して枕な どを安全な位置に配置し、自分も眠ろうと努力する。  で3時過ぎまで萌のノイズとかすかな緊張で眠れなかったが、次に目が覚め たときには7時になっていた。ついに萌が俺の横で眠ってくれた。というか、 俺が萌と眠ったわけだが。なんと6時間ぶっ通しスリープ、すばらしいとMが 大喜びでミルクをやる。うーん、なぜだかわからないがいい子であった。いい 子であると実にかわいい。  今日は長躯キッツまで買い物。Mの胸の痛みも最小で済んでいるようで、 非常に機嫌がよろしい。 ----------------------  00:32 今日は長い1日となりつかれたが、一家揃って機嫌よく、用事も済ま せられ満足。Mがシャキシャキと大股で歩いているのを見て、もう手術のダメー ジから回復したのだなと改めて驚く。まあひと月経ってるんだから驚くほどの こともないのかもしれんが。萌は夜例によってややクランキーだったが、手に 負えないというほどではなく寝てくれた。これで昨日のように7時まで寝てく れれば満足。俺も今日は早く寝たい。おやすみなさい。
■ 00/07/06(木) 16:59:14 □ アパート見学
 またヘルプに来てくれたBRのおかげで俺たちはたっぷり眠れた。午後ポー トムーディのアパート探し。ポートムーディの町に入る前の丘の中にあるやつ を見に行くと、アパートではなくキャンプグラウンドのようなところに散らばっ た広大な2〜3階建て団地群であった。 ┌──────┐ 俺たちが入れるやつは東向きで、涼しいところ ────┘bed room │だった。ベースメントがありそこからキッチン、リ 2nd Bd │ビング、バスルーム、2nd ベッドルーム、ベッドルー Bath ├──────┤ムとせりあがっている。おー。裏はきれいなグリー ────┴┐ living │ンと林。おー。ベースメントには洗濯機と乾燥機も │ │入っている。おー。 kitchen ├─────┤ ─────┤ │ がここに1人または恋人と2人で住むなら面白い │Laundry │なあと思うが、一つ一つの部屋がせまく、家族3人 └─────┘で住むというイメージがなんか湧かない。リビング なんかカウチと萌のゆりかご(購入予定)を入れた らもう動くスペースもないだろう。家賃と光熱費が今よりかなり上がるという こともあり、あまり気が進まない。引越しは厄介な仕事である。 ----------------------  しかしあそこに住んであのキャンプグラウンドみたいな庭で光を浴びて歌で も歌ったら気持ちいいかもなと考えているうちに、ボガンボスの「最後にひと つ」がどうしても聴きたくなってしまった。ところがカセットすら持っていな いのである。どうして手に入らなかったのだろう。あ、スタジオ盤がつまらな い音だったせいでシングル CD を買わなかったからか。しかしこの世で一番好 きな歌のひとつの音源を持ってないなんて、俺は情けない男だ (;_;)。
■ 00/07/07(金) 12:26:10 □ バースデーは tomosakata.com のみ
 昨日同様BRのおかげでゆっくりと寝て起きると、ハッピーバースデーと歌 が流れた。あそうか。よおし今日はなんでも買ってやる......と思ったが、ほ しいものはデジカメくらいで、それは高くてとても変えない。  まあともあれ今日の仕事はBRを送りゆりかごピックアップである。SHが 彼女の家の近くで中古を見つけて買っておいてくれたのだ。 ----------------------  道中BRと会話が弾み、気持ちよくドライブ。ゆりかごは無事シビックに収 まり、サイバー甥MKが家にいたのでしばらく遊んで渋滞をやりすごしてから 帰る。MKは俺の誕生祝に tomosakata.com を作ってくれた。個人でドメイン だなんて、そういうのはオタクの遊びであって俺は健全な大人だからいらんい らんと言ったのだが、やつは勝手に作成し始める。そんなの作っても俺は金を 払わんぞといいつつぼーっと眺めているうちに、あいつが SE をやってる会社 のサーバにドメインを設置しているのだと判明。あなるほど。じゃ金はいらな いのね。そうさ、このサーバは僕が管理してるんだからねというMK。だった ら最初からそう言えばいいのだが、奴は頭の回転が速すぎて物ごとを口で説明 できないということがよくあるのである(笑)。  なるほどドメインというのはこうして作られるのかと眺めているうちにだん だん面白くなってきた。これはMKを admin としてコキ使い、なんでもやれ る理想のドメインなのだ。メールアカウントを作ったり削除したりできるし、 そのうちに Web アカウントもいじれるようになるらしい。いろいろ使い道が ありそうだ。お前これはすごいじゃないか、お前のような甥を持っておじさん はうれしいよ。Mにこれから帰ると電話しドメインができたというと、よかっ たわねといわれた。くそお右から左に聞き流している。  で帰ってきて、せっかくの誕生日なのに tomosakata.com 以外はなんにもな かったから、せめて記念に萌の顔を撮ろうとビデオをセットしていたら、また ガスが発生して大泣きになってしまった。がっくし。まあしかし、このところ 確実に良化しているのがひしひしと感じられる。泣くのは理由があることだか らよし。

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