花火は丸いか平たいか
To: ARAI@東京立川
Subject: 花火は丸いか平たいか
From: Tomohisa Sakata (sprynet.com)
Date: Sat, 29 Mar 1997 02:10:43 -0800


  ARAI君、昨夜競馬テープの続きを見ていたら映画が入ってたので、3本
 全部見てしまった。朝6時半まで見てしまった。なんてこった。

  二つ目の「花火は丸いか平たいか」がめちゃよかった。俺は子役がぞろ
 ぞろ出てくる映画って普通わざとらしくて苦手なんだけど、まいりました。
 夏休み直前という設定もいいし、銚子の風景もよかったし、出てくる子役
 たちがみんなよかった。最高でした。

  Mさんたちは映画がものすごく好きなんだけど、彼女らが見る英米の映
 画って俺は全く見られないんだよね。興味が湧かない。日本にいるときは
 WOWWOW で少しは見てたけど、こっちに来てからはぜんぜん見たくならない。

  こうして日本の低予算映画を見てめちゃめちゃいいなと感じるのは、も
 ちろん大好きな日本の夏が出てくるせいなのが一番だと思うけど、ごく普
 通の場所で、なにも大事件が起こらず、静かな物語だからだと思う。つま
 り、すべてがハリウッド映画の正反対だからなのだ。前に送ってもらった
 つげ義春の映画もそうだったしね。主人公の男の子が友だちをパンチする
 一瞬の高ぶり、それ以外のすべての時間を支配する静かな迷いとか戸惑い。
 それらの配分がハリウッドよりもはるかにずっと、俺を気持ちよくしてく
 れる。

  海外を旅行してまわるよりも、バイク(か車)とテントで行けるところ
 をのんびりと回りたい。怠惰なおいらは、どこか非常に好きなところを見
 つけて、そこに横たわっていたいと感じる。そういう穏やかさへ向かう性
 向に、「花火」はつよく訴えるものがある。Mさんにもいつか見せるよ、
 分かってもらえたらいいな。

  その次の「毎日が夏休み」?は主人公のナレーションを聞いて、あこれ
 は大島弓子じゃないのと思ったらやはりそうだった。まじめすぎてずるの
 できない困った人々に満たされた大島弓子ワールド、いいな。だいたいう
 ちのちびの名前は「綿の国星」からきてるのだという説もあるし、こちら
 は花火ほど夏休み感がつよくなかったけど、楽しくて一気に見てしまった
 よ。

  それじゃまた、サンキュー。毎度毎度 ARAI 君テープは最高だ :-)。


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