【Journal】苦闘の日本旅行


■ 02/05/28(火) 08:57:44 □ 萌突然の発熱
 お母さんトロント出張の初日、頑張って8時に起き上がる。朝ごはんを用意 してから萌を起こすと、10時間よく寝たおかげで機嫌がよく、意外にも昨日 からマミーがいないことにまだ気づいていない。機嫌を崩さない限り今日明日 とさほど問題なくいけそうな感じ。 ----------------------  午前中は元気だった萌が、昼寝間際にちょっと鼻水を流したのでいかんなと 思ったのだが、起きてみたらホカホカに熱を出していた。38.7〜39.2 度、食 欲もなし。今は様子を見るしかないが、明日回復していなければもう旅行は無 理だろう。万事休す。
■ 02/05/29(水) 07:40:20 □ ワンダフルチャイルド
 昨夜眠れず苦しんだ萌が、今朝 6:10 にまた熱で目を覚ましてしまった。苦 しくて目を覚まし、ベッドから降りてMの姿を求めて台所に駆け込み、Mがい ないと気付いて泣き出した。かわいそうに。急いで熱さましをやってデッキに 出、体をゆすって慰めてやる。夜中中体温を感じとっていたのだが、どうやら 朝方ガッと上がったらしい。  デッキで水がいるかと問いかけると、顔を上げてカップから何口かゴクゴク と飲み、また俺の肩にもたれかかる。この、苦しさをある程度我慢でき、パニッ クにならず俺の言ってることが分かるというところが半年前までの病気時と違 うところで、えらくなったなあと思う。やがて薬が効いて軽食を食べると萌は 元気になり、俺の膝の上に登って、キスをした。まるで「thank you for taking care of me」というかのよう。なんてえらい子なんだろう。  8時半にお医者が開くので連れて行く。俺は「やはり駄目か、今回は」とい う気持ちになっているのだが、お医者は耳胸喉になにも問題がない、単に(風 邪)ウイルス感染だろうとの診断。念のためおしっこを採集。明日もチェック して、悪くなる兆候がなければ旅行も大丈夫だろうといわれた。ふう。 ----------------------  21:26 結局萌は今日は熱さましなしで一日乗りきってしまった。体温はかな り高いのだが、なんかその熱が嘘かのように元気にやっている。普段とまるで 変わりなくハッピーでチアフル。これなら心配はいらんかな、体力的 にも。もうじきMの飛行機が到着する。これほどMの帰宅を待ちわびたのは久 しぶり。電話で萌の発熱を知らされたMにとってはさらに長い時間だったろう。  23:45、Mが帰宅するとまったく同時に、萌が苦しくてまた目を覚ましてし まった。大泣きになる萌をMが抱きしめる。これだけでも間に合ってよかった。 ふー。お疲れ様でした。
■ 02/05/30(木) 12:13:29 □ 一日でドタバタと準備
 萌は一晩中唸っていた。熱自体はさほど上がらず。俺とメルはほとんど眠れ なかったが、萌が熱があるよりは気が楽で、9時半まで眠れたのでそれなりに 休まる。飛び起きて旅行の支度開始。  お医者2日目の診立ては、昨日から変わりはなく大丈夫だとは思うが、明日 から診察することができず海外へ送り出すことになるため、念のための antibiotics(肺炎等を防ぐための抗生物質)を処方したいとのことだった。 旅行保険を買い、日本で熱が続くようだったら日本の医者に診てもらおうとい うことにした。尿の検査結果でなにか悪いものが出たら、後から連絡が届くよ うにもしておいた。  22:35 一応でかい忘れ物はないという感じでメドがつく。忙しいような停滞 しているような、妙な日だった。明日の今ごろはもう日本だ。東京駅に着いて いる頃だ。
Jun 2(日) 9:25 am (5:25 pm) □ 巨大時差ぼけ
 日本の夜10時くらいに長野に着き、寝たのだが時差ぼけで朝4時(バンクー バーの昼ごろ)に目が覚めてしまった。  昨日のフライトはしんどかった。萌が熱のせいで眠れず、疲れてさらに熱が 上がるという悪サイクルで、フライト中俺たち3人は皆泣きたかった。  成田に着くとMの気も張っていたので、気合いが落ちないうちに成田→東京 →長野→須坂と一気に移動する。須坂に到着するやいなや、とにかく寝ようと M萌はベッドに向かったのだった。俺も家族の皆と少しだけ話し、バタリと寝 た。 ----------------------  風呂に入って朝ごはんを食べると元気が出、さあ楽しもうとホリデー気分に なってくる。長野はやはり朝涼しくて、かつ湿気があってよい。がまだ5時半。 それから7時まで我慢して OkoMK のベイビー・アイちゃんに会ってきた。萌 はアイちゃんよりも犬たちやおもちゃのほうに興奮していたが、二人は仲良く やれそうな感じ。OkoMK 家は3年前に植えた木や草がうっそうとし、非常にナ イスな感じに進化していた。萌がまた眠くなってきたので昼寝のため帰宅。  萌の機嫌は遊んでいる間はいいのだが、まだ疲れが大きく、熱も高い。うー む。薬漬けというイメージのある日本の医者はあまり行きたくないので、自力 で回復してほしい。 ----------------------  疲れが出ないように気をつけて一日過ごしたのだが、結局熱は下がらなかっ た。なにをしていても心から楽しむわけにはいかないのである。あきらめて明 日医者に診てもらうことに決定。  午後からやっとWCを見る。やっぱりWCになるとどの国も強いとまず思う が、あまり集中して見られない。
Jun 3(月 ) 8:15 am □ 病院行き
 萌は 11 時間も寝て、軽い咳はしていたが一晩中体温が上がらなかったので、 やったしめたとベッドの中でMとうなづき合っていた。が、起きてしばらく するとまた体温が上がってしまった。今のところは上がったり下がったりして おり、元気はない。 ----------------------  昼前にまた熱が上がり、あきらめて病院へ。診断は思ったよりも重く、点滴 3時間となる。最初の2時間は、萌はあまりのストレスにぐったりとなってい た。まったくすまない。俺たちの旅行のせいでこんなことになってしまって。 もう二度とこんな目には遭わせない。
Jun 4(火 ) 2:02 pm □ 日本-ベルギー戦
 通院2日目:今日の点滴は昨日よりもはるかにストレスが少ない状況でやる ことができて、時間も2時間で済みやれやれだった。点滴をつないだら、ガラ ガラとそれを引きずって TV のある休憩室に行き、そこでおにぎりを食べなが ら子供 TV を見ていればよかったのである。NHK には『ストレッチマン』とい う、とんでもなく面白い番組があって、それを俺たちは大喜びしながら見てい た。熱も下がってきている。  点滴のために左手を包帯でグルグル巻きにされている萌は、左手が使えない ことに非常にイライラしていて(当たり前)、夜や昼寝の寝入りばなに怒りが 爆発し、発熱してしまうことがある。まったく本当にこの数日間は萌にとって も俺たちにとっても絶え間のないストレスの連続で、昨夜病院から帰ってきて 萌に投薬したあとなどは、俺はもうこのままぶっ倒れて自分も病気になってし まいそうな予感が強くしたのだった。 ----------------------  夜、萌の熱が上がらないことを何度も何度も確認した上で日本-ベルギー戦 を見る。ゲームを支配していたのは日本だったが、ベルギーはそれで OK であ るという感じで、地味ながら痛い放り込み攻撃を繰り返し、1点をもぎ取って しまう。負ける気はしないのだが、日本が点を取るイメージも今一つ湧いてこ ない展開。中田が前線でFWのごとくがんばっているのだが、これが報われる ことがあるだろうかと思っていると、鈴木がクリアボールを追って追ってベル ギーDFを追い越してボールを奪い、あっという間に1点を返してしまった。 素晴らしい。やはりこいつの闘志が日本を救うのだ。  さらに稲本のストライドの大きさを生かした素晴らしい突破で1点を追加し、 これで勝利はゲットしたと思ったところで、毎度毎度のオフサイドトラップ崩 れで失点する。シーンとするスタジアム。しーんとするなー観衆〜〜〜とTV で見ている俺は叫ぶのであった。  その後も何度か得点のチャンスはあったのだが(決まっていたらベスト10 ゴールに入るくらいの見事な切り込み崩しシュートを稲本が決めたのだが、ファ ウルで取り消しにされてしまった)、結局ドロー。失った2ポイントは大きい。 がその後に韓国がすんばらしくはつらつとしたゲームでポーランドを撃沈して くれたので気分よし。萌の回復と共にやっとWCを楽しめる気分になってきた。
Jun 5(水 ) 4:37 pm □ 初めて買いものなど
 通院3日目:午前中に点滴を済ませ、午後は初めて必要品を買いに出る。俺 もメルも時差ぼけと疲れでフラフラしており、雑貨屋の狭い通路で立ち往生す るような案配だった。そのあと MK さん宅に寄ってゆっくりと遊び、やっと休 暇らしく楽しめるようになってきた。
Jun 6(木 ) 7:38 am □ 点滴終了
 萌の熱がついに 37 度を割る。朝のおばさん向けワイドショーがすべてロシ ア-チュニジア戦の解説になっていた。さすがはワールドカップだが、野際陽 子さんとかそういうおばさんにサッカーの感想をいわれてもなあという感じ。 ----------------------  通院4日目:点滴がついに終わり、左手の包帯が解けた。よかったなあ萌。 だが医師はまだまだ油断するなと脅すのであった。言われるまでもなく、俺は 一つもリラックスできていない。PoCo のわが家に帰るまでは心が休まるとき はないように思う。週明けに再度検診することとなった。  昼前から晩飯まで、PM 家で思い切りのんびりさせてもらった。本当に日本 は暑い。俺もMも疲れてしまった。  この家(さか田父母家)の回りは駐車場ばかりで、3年前よりも町中の駐車 場がまた増えている。町の中心部から店が消え駐車場ばかりになっていくとい う、ニッポン田舎車社会空洞化現象なのだ。儲かってるのは車関連産業ばかり なんじゃないだろうか。  しかし日本でやりたいことはたくさんあったのだが、まだなにもやれない。 今日 PM 家でネットを使いつつのんびりするというのが、初めての休暇らしい 過ごし方だった。最新の Mac OS X(Mac の Unix)はえらく遅くて(※)、せっ かくの ADSL 接続があってもネット巡回もメールチェックもはかどらなかった。 (※)あとから Linux の鬼・MKに聞いてみると、Mac OS X は次から次へ と出るパッチをどんどん当てていけば快適なのだそうだ。そ うでない場合、BSD の上に Mac OS10 のシェルを載せて、さ らに OS9 のエミュレータをその上に載せて古いアプリケー ションを動かすという屋上屋構造により遅いらしい。  また FIFA2002 という最新のサッカーゲームがあったのだが、やってみると これがよくなかった。自然に選手とボールを動かせないのである。慣れないと ボールにタッチできないサッカーゲームというのは、それだけでやる気がしな くなる。サッカーゲームはこうして超絶美麗な絵だけを楽しむようになってい くのであろうか。誰がコントロールしても自分のからだのように選手を動かせ るのは、FIFA98 だけだったんだろうか。
Jun 7(金 ) 8:56 am □ さか田かつ重膳
 今日も暑い。昨日は6月としては観測史上最高というレベルの暑さだったん だそうだ。萌の熱は平熱まで戻っており、咳だけがまだまれに出る。暑さと 疲れにだけ注意していけば大丈夫だろう。今日は用事もないので、散歩などで のんびりと過ごす予定。  さか田でかつ重膳を食べる。肉が無茶苦茶うまい。なんで日本の豚肉はこん なにうまいのと不思議になって訊ねると、肉も当然いいが筋切りを徹底してい るのだそうだ。なるほど。しかし昔は友達がうちにくるとさか田の賄い飯を食 べられるのでえらく喜んでいたのだが、いまは誰でもこうして 780 円で同じ ものが食べられる。出てくる料理の材料を見れば良心的な商売だと思うのだが、 店はにぎわうといったほどの客入りではなかった。田舎の商売は実に難しい。 高円寺などでこのトンカツを出したら、「とん美」をしのいで毎日行列ができ るだろうに。 ----------------------  夕方神社の公園へ散歩に行く。子供連れがたくさんいたので、お、知ってる 人がいるかなと近寄っていってみると、みんな 20 歳そこそこのお母さんたち なのだった。世代が違いすぎ (^_^;)。
Jun 9(日 ) 10:47 pm □ 日本-ロシア戦
 久しぶりに風が出て涼しい日。今日は PM 家でバーベキュー。萌は元気だが、 ハナがズルズル涙ポロポロの大風邪症状となっている。機嫌と元気は先週より もはるかによく、元気に遊び、車での移動中には歌を歌ったりしているくらい なのだが。 ----------------------  夜日本-ロシア戦。期待通りまったく危なげのないプレーで試合を支配する 日本なのだが(ベルギー戦よりもプレスがよかった)、どうも中田が下がりぎ みで、小野のプレーに輝きがなく、決定的なことができない。鈴木はいつも通 りに素晴らしい貢献でゲームを作っているのだが、ときおり飛び込んできて決 定的な場面に絡むのは稲本だけなのだ。稲本の素晴らしさが炸裂しているのは いいのだが、中田と小野がなあ。  小野は明らかに調子が悪いと思う。ロシアの選手と1対1になり、なにも仕 掛けられないような選手ではないはずだ。中田は切れが悪いようには見えない のだが、派手な仕事は当たっている稲本に任せようという判断で裏方をやって るんだろうか。しかし相手がもう少し強ければ、稲本だけではなく中田も小野 (とアレックス)もミラクルを連発してくれないと勝てないぜ。WC初勝利は うれしいのだが、ベスト8は当たり前に行ける、勝負はベスト4を賭けたQファ イナル(フランス・セネガル・デンマーク・イングランド・スウェーデン・ア ルゼンチンのどれか)と実際思ってるので、この攻撃ではなあと喜びも半分く らいなのであった。
Jun 11(火 ) 9:29 pm □ 教会の神頼み
 風邪症状に加えて萌に湿疹が出て、病院の検診に連れていった。お医者が来 るまでの30分、敷地内にある教会へ行って待つことにした。涼しい無人の教 会に入る。神様、神様、いつもは信心などしていないんですが、萌には本当に 罪がないんです。お願いですお願いです、早くこの病気を治してくださいと祈っ てしまう。萌は体調が悪いわけではないので、何も知らずに元気に教会の中を 走っていた。自分の声にエコーがかかるのが楽しくて、あー、あーと声を立て ながら。  診断は、病院内で別種の風邪に重複してかかったのだろう、こじらせない限 り心配はないとのこと。湿疹は薬への反応である可能性もあるため、2日薬を すべてやめて、症状が悪化しないようなら、もう投薬をやめていいですよと言 われる。  薬をやめていいというのは大きな光明で、これでついに峠を超えたなと俺た ちは思うのであった。もう大丈夫だ。峠は超えたぜ。 ----------------------  夕方から梅雨に突入。やっと雨が降って涼しくなるわいと思ったら、気温が 下がらずに湿度だけがぶわぶわと上がっていくので参った。梅雨ってこんなに 鬱陶しかったのか。
Jun 12(水 ) 8:54 am □ MKさんに会いに行く
 Mも風邪をひいてしまった。彼女を置いて萌と共に MK さんに会いに行く。 この3年間就職妊娠退職出産といろいろとストレスが高かったことだろうが、 いまは落ち着いていますから心配いらぬということだった。たしかに、着いた その翌日に会いに来たときに、この家には充実した家族というムードが漂って いていいなあと思いましたよ。  やっとひと心地ついたため、あれこれと用事を済ませ始めた。銀行と保険は OK。古本も仕入れ始めたのだが、完璧だったはずの情報整理が行き届かず間違 えてすでに持っている本を買ってしまっている。ゲームはまだこれといったも のを見つけるほど見ていない。  萌は借りてきた『トトロ』のビデオが無茶苦茶気に入っている。うちにある トトロ絵本自体をけっこう好きだったのだが、それが動いていて声も出すのだ からたまらない。一日二度ずつ見ているのであった。 ----------------------  なんと昨日のフランスに続き、アルゼンチンまで敗退してしまった。信じら れない番狂わせが続く。がポルトガルもアルゼンチンも試合を見たけれど魅力 的なチームではなかったので、あまり残念さも感じられない。しかしこの2チー ムを除けば、どこにだって日本が勝っても驚きではないではないか。
Jun 14(金 ) 0:44 pm □ 日本-チュニジア
 おみやげ等の買い物を着々と進めていく。今日できれば郵送品の荷造りをし てしまおうという次第。今日は午後日本対チュニジア。ここは当然1位で突破 し、トルコを破ってベスト8、セネガル(またはスウェーデン)を破ってベス ト4である。 ----------------------  日本はまったく危なげなく 2-0 でチュニジアを撃破。森島が点を取ったの がよかった。誰もが愛する森島だが、ワールドレベルでは通用しないんじゃな いかという危惧が俺にはあったのである。それが消えてめでたし。  ここまでは1位突破も含め予想通りなので(3戦全勝と思っていた)、盛り 上がるTVを見つつ俺は非常に冷静でいる。次のトルコ戦もその次のセネガル (またはスウェーデン)戦も勝つのは特に驚きではないわけで―――これらは つまりたとえばキリンカップなら確実に勝てる相手であり、本番だから相手も 格段にいい状態でくるだろうが、こちらもこのほかのどんなときよりも状態が いいのである。したがって勝てる―――、ベスト4を現実的に目指せるよろこ びと共に、日本はなんかとことん地味なくじを引いたなあという思いもある。 これぞWCという強敵に食い下がって勝ちをもぎ取り世界を震撼させるという のが目標なのだが、準決勝で当たるのはもう何度も負けているブラジルで、欧 州メジャー国とは当たらないまま終わってしまう。  この試合を見に MK 家と ID 家と GT 家がやってきて、サカタ3兄弟を含め て子供9人の大狂騒ディナーとなった。萌も当然入り交じって遊びたいのだが、 やはり小学生までがいるグループでの大騒ぎにはとてもついていけず。だがま あずっと楽しそうにしていてくれてよかった。このところ毎日午前は機嫌最悪 で、夕方は体調も機嫌もいいのである。 ----------------------  夜韓国-ポルトガル。ポルトガルは前の試合を途中で見るのをやめて寝てし まったくらい状態が悪かったのだが、それがまったく改善されないまま韓国の スピードに圧倒され、2人退場になり点を取られ敗退してしまった。ドローな ら韓国もポルトガルも次に進めたのでポルトガルの得点を祈ったのだが、2人 不足ではいかんせんどうにもならず。韓国も最後のほうはイーブンボールに突っ 込まないなど若干の思いやりを見せていたのだが、終わってしまった。まあこ んな状態では次に進んでも仕方がないのだが、これで優勝候補チーム3つめの 一次敗退である。名選手たちのクラブでの疲れのせいなのか、味気ないWCに なりつつある。そしてこの韓国の自信に満ちたプレーレベルは、すごいものが ある。
Jun 15(土) 6:34 pm □ 臥竜山公園
 訪ねてきてくれたT画伯親子と共に臥竜山公園に行く。あの公園は井の頭と 同じく回り中がすべて木陰になっていて、夏の子供連れには実にありがたい場 所なのだった。もっと前から何度も行ってみればよかった。気持ち良く1時間 ほど歩く。萌が生まれたときにお祝いをいただいたKG先生の奥さんにもバッ タリと出くわし、その節はありがとうございました、これがその萌なんですと 見せることができた。 ----------------------  夕方萌が珍しくかんしゃくを起こして泣きやまなくなってしまった。1時間 近くも断続的に泣いて、トトロを見てやっとおさまり眠りにつく。単に昼寝が 短かったせいで眠さと体のリズムの折り合いをつけるのに失敗しただけだった らしいのだが、こんなにも泣いたのは病気以外ではなかったことなので、また 熱が上がるかと肝が冷える思いだった。あと4日でまた機上の旅となることを 思うと、憂鬱な気持ちになる。だが一刻も早くいまは、家に帰りたいのである。 家に帰りたい。Prairie 通りを右に折れ、萌と一緒に「ホームでーす」といい ながら家に辿り着きたい。  決勝トーナメント1日目、ドイツとイングランドが勝ち上がる。ドイツは思っ たとおりに弱く(パラグアイはそれ以上に弱かった)、イングランドは思った 以上に強かった。イングランドの守備陣は4年前もものすごかったが、今回は それを上回るくらい強固に見える。そしてベッカムとオーウェンで簡単に点が 取れてしまうので、ことによるとひょっとするかもしれない。日本の準決勝の 相手はブラジルではなくこの国になるかもしれない。
Jun 16(日 ) 8:57 pm □ 小布施の公園
 今日はいい日であった。小布施の公園で暑かったが気持ちのいいピクニック をし、雨が落ちる直前に OkoMK 家に移動して、涼しい中夜まで過ごした。 OkoMK とカヌーだとかアウトドアだとかの夢のある話をし、一緒にご飯を作っ て食べる。萌も終日ご機嫌で、Mの作ったマッシュポテトもたくさん食べてく れた。これといってなにか大事な話をしたわけではなかったが、6人が一日落 ち着いて一緒にいられたことがうれしかった。その落ち着いた雰囲気が、萌の 体調と食欲にもいいほうに作用していたと思う。  今日の小布施に行くまでの道とか、こないだ走った川向こうの道など、須坂 は車で走ると気持ちがいいゆるいRの道が多いのだなと気がつく。バイクで走っ たらゆるすぎてなんてことはなく、軽じゃパワーがないので気がつかなかった くらいのRなのだが、ある程度力のある車で加速しながら曲がっていくと実に 気持ちがいいのである。借りている父さんの 94 年式ボルボはこの3週間の使 用でなんと3個所も不具合が出ているくらい雑な車で、うちのレガシィの方が 乗り心地を含めたすべてで上回ると思うのだが、そういうゆるいRをややオー バー気味にきゅーっと曲がっていく味だけは、もしかするとレガシィを上回る かというくらいいい(※)。 (※)あとで調べたら、あの車は FR なのだった。それでステアの 切れがよかった模様。 ----------------------  WC決勝2日目、セネガルが組織力で優るスウェーデンを個人技で破ってく れた。スペイン-アイルランドは、盤石の強さを感じさせたスペインにアイル ランドがかじりつき、後半誰もが早すぎると思った時間にFWを抜いて選手交 代で逃げ切りを計ったスペインが案の定追いつかれ、大苦戦している。スペイ ンはさらに怪我で10人になってしまうという間の悪さで、これだからスペイ ンはWCで成績が出ないのだなと改めて自ら実証するようなまずい展開。アイ ルランドが押し込めるためにかえってリズムを崩しており決定的なシュートを 打てないのだが、決まるのは時間の問題という感じ。  が最後になってアイルランドのほうも力尽きてしまった。PK戦で敗退。中 1日分休みが少なかったのだが堪えたのだろうと解説はいう。日本はセネガル と当たるときには2日も休みが少ない状態になるので、それは大きな不安要素 だなと思う。
Jun 17(月 ) 8:56 am □ 久々の長野市
 今日は荷物を送ると共に、長野に行く。久々の長野は、シャッターの閉まっ たそごうとダイエーが景気の悪さを表しているほかは、あまり変わりはないよ うだった。昔同様東急に車を入れて買い物をし、善光寺まで上がって焼き鳥デ イブでBCさんに会い、移転&新装なった長野外国語学校 (NFLC) でTM先生 に会う。驚いたのはこの NFLC で、経営側が大投資をして、垢抜けたいかにも 外国語学校風のビルになっていた。よくこんな大きな投資ができたもので、資 本家というものはすごい金があるんだなあと思う。  帰った後はいとこKSと萌がたっぷりと遊んだ。今日はさか田三兄弟はこっ ちのじいさんばあさん家には来なかったのだが、KSは自発的に萌と遊びに来 たわけである。えらい。  あと滞在は明日一日。萌の体調さえ整ってうまく機内で寝てくれれば、問題 なく旅は終わる。そわそわする気持ちと、なんかなにもできなかったなあとい う気持ちとがあるが、まあ萌も元気になって皆と遊べたのでよかったとしよう。
Jun 18(火 ) 11:37 pm □ 日本敗退、韓国イタリーを破る
 日本敗退、韓国はイタリーを破る。インクレディブルな日であった。とほほ。 なぜ日本はあんなにデキが悪かったのか。大会を通じて韓国のサッカーは素晴 らしい。韓国の選手たちが、欧州一流国を相手にしてものびのびと爪先の先ま で 100% 力を出せるように仕向けたヒディング監督の力が、負け試合では毎度 毎度の煮え切らぬ采配となるトルシエを上回っている。さよならトルシエ監督、 この4年間は楽しかった。明日は 11 時の新幹線で信州にサヨナラ。

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