高原詩集
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Subject: Re: from Kurohime (103)
Date: Wed, 31 Jul 1996 23:08:05 GMT
In Article ,
syshr@avisnet.or.jp (YOSHIHARA, Shigeru) wrote:
> 高原(その五)
>
> いつか善い運を授けて下さるならば、神様、
> どうか私にオーヴェルニュを見せてください。
:
> ああ、日本はついに私の墳墓の地だが、
> 心の山のふるさとは
> 行けども行けども常に碧い遠方にある!
>
> 尾崎喜八、高原詩集から、(伊吹ジャ香草のジャは漢字だが出なかった;-> )
>
> 名前は知っていたけれど実物は知らなかったイブキジャコウソウ、これはもう半
> 世紀も以上も昔にかかれたもので、私が読んだのも三十年も昔……(21jul96)
無学の徒にて尾崎喜八のことはなにも知らないのですが、昔バイクに乗っ
てはじめて美ヶ原へ登って行く途中、立ち寄った食堂ではじめて彼の詩を
読みました。
登りついて不意に開けた眼前の風景に
しばらくは世界の天井が抜けたかと思う。
やがて一歩を踏みこんで岩にまたがりながら
此の高さにおける此の広がりの把握になおもくるしむ。
いい詩。けど、ちょっと大げさか :-) ......と思いながら山道をかけ登
ると、ああ疑ってすいません尾崎さん、そこは歌われた通りの場所でした。
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尾崎喜八の碑が建っているところからいちばん高いところへ歩いて登る
と、とんぼが大発生していました。澄んだ空気、全てのてっぺんに自分が
いることの爽快さ。
と・そこへ変なおやじが登って来て、俺がここを開発したとかなんとか
連れに言っているのです。口を極めて美ヶ原を誉め、上高地という言葉も
聞こえたので面白くなって、「上高地よりもここのほうがいいですか?」
と訊いてみました。
そしたら突然怒り出して、「馬鹿モンが! 上高地なんかのどこがいい
だ! こんないい場所は他にねえ!」とかなんとか激昂しているのです。
ありゃりゃ :-)。
確かに、それほどに、あそこは人を魅了するのかもしれません。この美
しさに免じて許してあげようと思いました。
バンクーバーもすばらしい天気が続いています。ちょっと前まではむっ
とするほどの熱気もあったんですが、この頃はさわやかすぎて、日陰だと
ちょっとさむい感じです。もっともっと暑い方がいいんだけどな、神様、
いつか善い運を授けて下さるならば :-)。我が心の山のふるさとは、常に
碧の信州にあるのです。