成功を信じてトライする気持ち(カナダ代表)
From: Tomohisa Sakata
Newsgroups: fj.rec.sports.soccer
Subject: RP: CONCACAF Gold Cup: Mexico - Canada
Date: Mon, 21 Feb 2000 03:23:11 GMT
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■□ サカタ@カナダです
カナダが 2nd に進むとは放送局も思っていなかったらしく、週間予
定表に入っていなかったためカナダ−メキシコを思いっきり見逃してし
まいました。後半 15 分に TV でやっていることに気がつき、あーしま
ったと思いつつ観戦。0−1でカナダが負けています。ところが、これ
が双方ひどいサッカーをやっておる。
カナダが守備的で、点を取れるとは自分でも信じていないFWペスキ
ソリドが悲しそうな顔でちんたら走っているのは前韓国戦と同じなんで
すが、メキシコの売り物であるタイトさもまるで見えないのです。どう
やら0−1で終わればいいと思ってやっているらしく、攻めも守りもタ
ラタラにだれている。アナウンサーも、メキシコ相手に0−1ならまあ
カナダを責めることはできないでしょうなんていっている。―――なに
を考えてるんだお前たち! こんなメキシコから点が取れないなんて本
気であきらめてるのかと赤鬼トルシエ化して叫ぶ私。
先日のカールズバーグ杯のビデオを僕も見ることができたんですが、
このカナダ戦の後半を見る限り、あのときの小気味よいメキシコとは別
物です。カナダが時折繰り出すぬるい反撃が、ちゃんと最後シュートで
終われるほどメキシコのDFは仕事をしておらず、またチーム全体にミ
スが多い。こんな相手にきっちりファイトバックできないならカナダは
ホッケーに専念し、サッカーなんてやめるべき。
しかし、もっと勇気を出して最後の瞬間まで力を抜かず攻めろと見て
る方はイライラするのですが、オジェック氏はなにを考えてるんでしょ
うか、どうも中途半端なカナダの攻撃が続きます。下手でもいいから必
死で食い下がればいいのに、どの選手もどこか成功を固くイメージせず
ひるんだ動きなのが腹立たしい。上背と体格でアドバンテージがありな
がら、セットプレーからのヘッド合戦でさえ接触を嫌い、誰も本気で競
っていないのです。日の本の中山を見習ってもらいたい。こんな状態に
なぜ渇を入れないのかオジェック氏。
貴様貴様それでもカナダ代表かと声を上げて私が怒っていると、拙い
攻めの中からの1本のセンタリング&ヘッドがきれいにスコンと決まり、
あっけなくカナダが得点してしまいました。ほらね。当たり前だろう。
3人いたメキシコDFが、たった1人のカナダFWをマークしておらず、
フリーでヘッドを打たせてしまっている。国際Aマッチとはとても信じ
られないシーン、いかにメキシコがカナダを舐めて手を抜いていたかと
いうことでしょう。
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同点後後半がすぐに終わりサドンデスの延長、メキシコはあわてて大
攻勢を再開します。スピードのあるメキシカンアタックが復活するもの
の、いったんゆるんだネジは締まらないとのサッカー格言通り、その攻
撃が決まりません。全員カナダ陣内で攻撃状態となり、大きく広がるカ
ナダのカウンターアタックチャンス。
そして延長戦初のカナダのカウンターアタック、右に抜けかけたカナ
ダ選手が、メキシコDFをはさんで左を走る味方にループ気味のパス。
処理するのは難しいが成功すれば大チャンスというこのボールを、おや
まあ見てごらんカナダ選手が完璧なトラップ! そしてそこはすでにP
Kボックスの中、GK飛び出すも遅い、カナダ選手が倒れ込みながらシ
ュート! 決まった――っ! あっけない――っ(笑)!
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というわけで、あまりにもあっけないカナダの逆転勝利となったので
あります。2つの得点を含めてもカナダが特にいいサッカーをしたとは
思えないのですが(前半は見ていないものの)、あんな気の抜けたサッ
カーをしていたらメキシコがどんな強国だろうと勝つ権利はなし。よっ
てこれは正しいサッカー神の裁定といえましょう。
あるいはまたもしかしたら、カナダがやっていたぬるい攻撃は敵をあ
ざむき脱力させるオジェックのマジックで、2つの得点時だけが本気の
アタックだったのか。特に2点目は、普通だったらとても成功を信じて
トライするとは思えないような勇気と決断力のみなぎるプレーであり、
それが美しく決まったのです。
メキシコ相手のカナダの勝利は10年ぶり、誰がこれを予想したこと
か、信じられないと大喜びのカナダ放送局。「カナダにはサッカーはで
きないなんてもう言わせません! これでランキングも上がるでしょう
!」。カナダは準決勝でトリニダッドトバコと当たり、これには実力的
に勝てるだろうとのこと。決勝はペルー−コロンビアの勝者と当たるよ
うです。うーむペルーかー。いやしかしディフェンディングチャンピオ
ンを破ったのだから、こうなったらもうなにが起こっても不思議はあり
ませんね。
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│サカタ│
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