マインドゲーム、フォーエバー
Newsgroups: fj.rec.sports.soccer
From: nono@nospam.com (Tomo Sakata)
Subject: Re: やっぱり弱い日本
Date: Tue, 28 Oct 1997 01:51:10 +0900
Thanks To: Hiroshi TANAKA san, 替え歌博士
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■□ カナダから故郷の長野に帰ってきたサカタと申します
カナダWC行き絶望をこの目で確かめたのち、だけど日本は大丈夫と信
じて日本に帰りはやひと月、あまりに勝てない日本の姿に呆然としており
ます。昨日は選手もコーチも観客も荒れて最悪の幕切れでしたね。しかも
スタジアムの外で暴徒とカズらがもみあうという、どこまで続くか日本サッ
カー最低ロード。選手たちはノイローゼになりそうだ。
/~~ In < Re: やっぱり弱い日本 >, Hiroshi TANAKA san wrote:
>>試合後のコメントも、残り試合を全力でやる、
>>とか、死にもの狂いでやる、みたいなことよく言うよな。
>
> 死にもの狂いでやったんだよ。試合を見てそう思わなかった?
> あんなに余裕の無い、今に賭けるしか無いというようなプレイを僕は初めてみ
> ました。もっとも、入れ込み過ぎて途中で失速した感はありますが。
どうしてこの予選こうも不調なのか、昨日見ていて思ったんですが、ど
うも常に飛ばし過ぎなんじゃないでしょうか。調子がいいときはイケイケ
とプレスをかけまくり、やがて脚が止まる(それまでに初戦のように大量
点が取れれば結果オーライだけれど)。悪いときやどうしても点がほしい
時間は、焦った意味不明のプレーやファウルを繰り返して時間と体力が無
為に流れていく。いつも後半はプレーを組み立てる力ががくりと落ちてい
るように思えます。
それを見ていると、日本サッカー界が常にいう「実力はアジアでトップ
なのだから、攻めるサッカーで勝つ」という信念を、加茂監督も岡田監督
も同じだけ持ってるんだろうなと感じます。「やってることは間違ってな
い」って毎度毎度言ってるのはそういう意味かなと。本当は、「45分なら
すごいプレスサッカーができる」というのが現時点での実力なんじゃない
かな。そしてここで試されてるのは、90分でどうなのかという力であると。
昨日の前半、日本はすばらしくバランスが取れていて、ミスでボールを
失ってもその後ろに常にカバーがいて取り返すという状態が続いてました
よね。あの状態を90分キープできたらすばらしい。それができれば相手を
上回る数の得点機がきっとやってくるでしょう。縦横無尽に駆け回りつつ
あぶないファウルを繰り返す北澤と本田を見ていて、そういう無理なつっ
かけをするのが岡田監督のいう「ファイト」なのかなと考えていました。
もうちょっと落ち着いて行ってもいいんじゃないかと。全開で飛ばしてい
ても、決定機はさほど多く作れていないのだし。むしろ飛ばし過ぎだから
決定機を作れないのかもしれない。
しかし、声援にもあと押しされて、そしてプレッシャーにも背中を突き
飛ばされて、どこまでも飛ばしてしまうんでしょうね。スポーツはなんで
もそうだけれど、サッカーは本当にマインド・ゲームだ。
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fj などを読み、「どうも昨日の試合について怒ってる人が多いようだ」
と私がつぶやくと、ウルトラ平和主義者の同居人がこう言ってました。―
――「だからスポーツファンっていやなのよ! その怒ってる連中は選手
が一生懸命やってないとでも思ってるの?! そんなわけないじゃない!」。
そのとおり :-)。
だけど一生懸命だけじゃ勝てないのだ。このマインド・ゲームに勝つ方法
をあと数日で見つけ出してくれ岡田監督、日本代表。
Subject: Re: Fan Letter to you.
To: 替え歌博士@サッカーMLの愉快な博士
From: Tomohisa Sakata
Date: Wed, 29 Oct 1997 02:52:18 +0900
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■□ 長野県のサカタです
尊敬する替え歌博士から突然メールをいただいて、びっくり感激してい
ます。日本に帰ってきてよかった(住所は関係ないか)。
/~~ In < Fan Letter to you.> , Takashi Kishida san wrote:
>> fj などを読み、「どうも昨日の試合について怒ってる人が多いようだ」
>> と私がつぶやくと、ウルトラ平和主義者の同居人がこう言ってました。―
>> ――「だからスポーツファンっていやなのよ! その怒ってる連中は選手
>> が一生懸命やってないとでも思ってるの?! そんなわけないじゃない!」。
>
> 韓国戦に家内を連れていったのですが、彼女は韓国選手が練習でフィー
> ルドに姿を現わした時も、韓国選手紹介が行なわれた時も、まわりのブー
> イングの中拍手を送っていました。どうしたの、と聞くと、「アウェーで
> の試合のためにわざわざ来てくれた異国の選手にねぎらいと感謝をこめた
> かった」とのことでした。私はそれを聞いた時、観客の方にもスポーツマ
> ン・シップが育たなければ、スポーツ本来の目的として本物じゃないな、
> と痛感いたしました。
僕もカナダで WC 予選対エルサルバドル戦を見たときには、自分の周り
にたくさんのエルサルバドリアン、おそらく移民の人々がいて、彼らが誇
らしそうに国歌を歌っていることに感動してしまいましたよ。もしも自分
がサッカー代表選手で、遠征した先に暮らす同国人の前でプレーすること
ができたら、うれしくて誇らしくてプレーする前からめそめそ泣いてしま
うかもしれないなと思いました。
韓国戦で徐正源が同点ゴールを上げた瞬間も、あまりのことに呆然とし
つつ、彼の笑顔と沸き返る韓国応援スタンドの美しさに陶然ともしていま
した。なんという美しい光景なのだろう。
国際試合を見るたびに、サッカーのいいところはやっぱり―――中田が
なんと言おうと (笑)―――、選手たちがすることによって国の人々があん
な気持ちになれることにあるんだと感じます。負けること(勝てないこと)
は果てしなく口惜しいですが、でもそれはこれほど美しいものと二つで一
つのセットなのだ。
> サカタさんのカナダサッカーのレポートは本当におもしろいものでした。
> 日本にいながらにして北中米リーグを体験したような気にさせられる傑作
> だったと思います。そしていつのまにかカナダを応援している自分に気づ
> きました。
ありがとうございます。カナダにいるときはやっぱり、日本代表が見た
くて見たくてたまらなく、その興奮をリアルタイムで味わえない分をカナ
ダ代表に補ってもらってました。カナダ代表も今の私たちの代表のように
引き分けを延々と繰り返し、学習とか工夫はないのかとファンにずっとた
め息をつかせていました。
カナダはとっくに息の根を止められてしまったんですが、日本はまだ二
度チャンスが残っています。それを生かしてほしいですね。考えて考えて、
考え抜いて。
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