【WC予選】Canada 対 El SalVador (2)
From: Tomo Sakata
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Subject: Re: Canada's World Cup Qualifier - VS. El SalVador (2)
Date: Mon, 07 Apr 1997 23:54:44 -0700
■□ カナダのサカタです
【カナダWC最終予選第3戦・対エルサルバドル その2】
10人となったカナダ。もともとテクニックと戦術はエルサルバドルのほ
うが優れているので、人数で不利になったカナダは押されはじめます。D
Fは人数を減らしてないのであまり変わりないものの、攻撃はもう鋭いこ
とがなんにもできなくなってしまいました。孤立したトップの Bunbury に
ロングパスを当てて、彼がキープしている間に攻撃陣が上がるの繰り返し。
サルバドルの返りの方が速く、全く効果ありません。そのまま前半終了。
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ウェル、S君、10人いれば充分だと君は言ってたけど、大丈夫なのかね
ほんとに。「大丈夫」。ほんとかなあ。.....しかし、僕はこういうプロの
サッカーをスタジアムで見るのは初めてなんだけど、サッカーって難しい
ねえ。TVで見てると「なんであんなトラップができんのだ」とか「どう
してロングパスが不正確なのだたわけ」、「男なら突破しろ」とかいろい
ろ思うんだけど、こうして生で見てみるとできるほうが不思議だね。これ
ほどボールがある地点への敵のプレッシャーがすごいものだとは、思わな
かったよ。
「ともかく、中盤のビルドアップが足りないんだよ。もっと押し上げなきゃ
だめだ」。いやだけど押し上げたとしても、ボールをコントロールするた
めのスペースがないじゃない、あっという間に詰められて。なんとかスペー
スを作らないとシュートも打てないし。
ううむとカナダ応援団が唸るなか、後半が始まりました。前半終わり頃
と同じ展開、パスで組み立ててまじめに怠らず攻めるサルバドルと、一発
ロング頼みのカナダ。カナダはときおりコーナーやFKを得るものの、い
いコースに飛ばず背の高さも生かせていません。サルバドルは、カナダの
献身的な3バックにはばまれPKエリア内までは進入できないものの、じ
わりじわりと的確に攻めてきます。これは近々点を取られるような気がす
るな―。
カナダFWが左からPKエリアへドリブル突破、DFがコースをカット
してボール奪取。「ヘイヘイ! レフェリー! 今のはオブストラクショ
ンだろう!」ととてつもない大声で叫ぶS。レフェリーがギロリとこちら
を睨みます。S君S君声が大きいよ、審判が怒ってるよ。
後半も半分をすぎ、両チーム交替を出し始めました。カナダに入った選
手はどうも見覚えがある、オリンピック代表から上がってきた選手のよう
です ─── そういえばヒキダ主将はA代表には呼ばれてないんだな、彼
はどうしてるだろう。その交代選手が頑張って前線をかき回しそれなりに
サルバドルDFを崩そうとしていますが、決定的な場面までは作れません。
どう攻めても結局最後はサイドから Bunbury へセンタリングで終わるな
あ。日本も調子悪いときは似たようなことやってるけど (苦笑)、これだと
点はなかなか入らんよ。Bunbury はボールを受ける際に必ず前を向こうと
トライしていて非常にいいポストなんですが、いかんせん回り中サルバド
リアン。キープしても次の手がないのです。もっと相手を見習ってこつこ
つ組織で崩さなきゃ。前線に走り込む人数を増やして Bunbury からのボー
ルをつないで。......あ、それがSがいうビルドアップか。さすが元キャ
プテン、大声だけかと思ったらちゃんと分かっておる :-)。
......しかしサルバドルのカウンターはけっこう鋭く、2バックではいつ
か必ず破られてしまいます。そこの兼ね合いが困難。さっきから、もしボー
ルがサルバドル選手の足元にこぼれたら瞬く間に失点という危うい場面が
何度も出ていて、ぎゃーやられたーと頭を抱え続けてるし。......やはり
サッカーは難しい。そして一人足りないのは本当につらい。ペスキのあほ。
もうだめだ、時間がない。その後どちらも何本か非決定的なシュートが
あり、0―0のまま試合終了。不完全燃焼の試合が終わりました。
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......はあああああ。もうこれでカナダのチャンスは終わりかな、S?
「分からん。あと何試合あるんだろう」。うちに帰ったらネットで調べて
知らせるよ。「いずれにせよ3試合で勝ち点1得点0だもんなあ。これじゃ
どうにもならんよ」。まったくだね。
しかし、僕らはほら、【98フランスWCへの道が閉ざされたあの決定
的シーン ── ペスキソリドの退場】を目撃したのかもしれんよ。日本は
そういう悲劇的なシーンがもうたくさんあってさ。はは....はあ。───
そんな話をしながら、言葉少なに私たちは帰るのでした。
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帰ってビデオを見た私はびっくり仰天。なにやってるんだお前はペスキ
ソリド。最初のイエローは倒れた相手をぽこんとキック、2枚目はコーナー
フラッグでバシッと相手の顔を直撃。お前はアスプリージャかー \(^o^;)/!!
退場はあったりまえなのでした。ネットで調べてみると、「ペスキソリドは
ラフプレイで知られ......」......そそ・そうだったのか。ばかものめ。
明日反省して坊主になってこいよなお前。
中継では「カナダはこの試合に負けると監督交替の声も上がっています」
とのこと。負けたわけじゃないけれど、どうなんだろう。10人で守り切っ
たはよいけれど、点を取るアイデアがなにも出なかったというのも事実。
エルサルバドルの監督は Milovan D'Joric という東欧の人でしたが、そう
いう人を雇って組織だった攻撃を浸透させれば確実に強くなる。......け
れど、サッカーには先立つものの流れないカナダなのであります。
あと一つ驚いたのが、あんなに走っていてはあはあ汗だくの Bunbury に
ハーフタイムでTVがインタビューをしている。鬼かおまえらは。オリン
ピック予選でサウジに勝ったときに、フィールドで泣いている前園を引き
ずり立ててカメラの前に立たせ「うれしいですか?」と聞いた日本のTV
も鬼畜でしたけど。
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Canada (0) 0, El Salvador (0) 0
Shots: Canada 6 , ES 4
Saves: Canada 4, ES 5
Fouls: Canada 10, ES 8
Corner kicks: Canada 6, ES 3
Yellow Cards: Canada 2, ES 2
Ejections: Paul Peschisolido (31 Min.)
[ CONCACAF World Cup Qualifying Updates ]
Team GP W D L GF GA GD PTS
Mexico 2 1 1 0 4 0 +4 4
United States 3 1 1 1 5 3 +2 4
Costa Rica 2 1 1 0 3 2 +1 4
El Salvador 1 0 1 0 0 0 0 1
Jamaica 1 0 1 0 0 0 0 1
Canada 3 0 1 2 0 7 -7 1
(10 games scheduled. Top three teams in the six-country event
advance to France '98.)
最下位になってしまった(ため息)。
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しかし、メキシコ・USA に加えてもう一つ出られるというのは、アジア
に比べてけっこう楽なような気もしますね (笑)。まあそれを言ったらヨー
ロッパに比べりゃアジアは....なんですけど。
それに組織力に関しては、日本はなかなかアドバンストだなとも思いま
した。カナダみたいに守備を休んで歩いてる選手はいないし、常にいい形
を作ろうとみな努力している。また個々の選手も、たとえばGKはポジショ
ニング、キックとも日本の選手の方がはるかにうまいし落ち着いている。
日本がいま調子悪いと思っても、けっこうレベルの高いところで苦悩して
るのかもしれません。
ともあれ、初めてのインターナショナルマッチはどちらも無得点という
サエない結果でしたが、それでもすばらしく楽しかったです。......ペス
キソリドよ。次は出られないけれど(下手したら非紳士的行為で2試合以
上欠場かな)、やっぱりカナダの得点はお前がたよりだ。次の次のコスタ
リカ戦で大得点しないと承知しないよ :-(。
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