【Journal】ホンダからスバルへ水平対向移動
■ 01/09/02(日) 18:01:11 □ 冷却水噴射!
車の冷却水もれを直そうとリーク止めを買ってきて入れてみる。するとこれ
が裏目に出て、クラックから水がピューと吹き出してしまった。うわうわ。
100cc ほど吹き出して圧力が下がり止まったのだが、これはいよいよ交換が必
要だ。クラックの場所は分かってるのでプロなら応急処置ができるかもしれな
いが、現時点ではなんとも言えない。
修理屋に持っていってみると、後々を保証できないからラジエータは交換の
みで修理はしないといわれてしまった。仕方がないので耐熱エポキシを買って
きてクラックに塗り込む。少なくとも目に見える場所でよかった。うまい具合
にふさげたので、これでしばらくは行けそうな感じ。
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学校に運転していったMが戻ったので車をチェックしてみると、まだかなり
吹き出していた。もっと安全な車にしたいとMは前から考えているのだが、
この車が駄目になったらほかに買う車なんてあるだろうか。シビックワゴンは
もうこの通り、生産中止から時間が経ちすぎている。アコードワゴンも見たこ
とがない。ワゴンならやっぱりスバルかな。しかしどのくらいのレベルの中古
車を買ったらトラブルフリーでいられるのか、その辺がカナダカーライフでい
まだに分からない。とにかく相場が高いのだが。
■ 01/09/05(水) 12:48:42 □ ラジエータ交換しかないとあきらめる
ラジエータを見てみると、昨日盛ったエポキシにクラックが入っていた。やっ
ぱり駄目なり。交換だ。しかしラジエータだけを新品にするのはせつないぜ。
そこだけ万全になっても、ほかがいつ壊れるかは分からないのだから。
ネットでざっと検索してみると、日本車でワゴンというのは種類が極端に少
ない。トヨタとスバルくらい。あとVWとか。うーむ。中古相場にある
Subaru Impreza Wagon とかがもし見つかれば非常に魅力があるけど、カナダ
じゃタマが極端にすくなそうで見たことがない。なかなかすんなり買い替えと
はいかないよなあ、収入を考えてみても。
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インプレッサという車が気になって Web を検索してみると、スバルもホン
ダ同様熱いファンに支えられているのであった。『重心の低い水平対向エンジ
ン・ボクサーサウンド・定評ある衝突安全性やハンドリング』などなど。非常
によさそうで、ホンダじゃなかったらスバルだなと思うのだが、中古が見つか
らぬ。
■ 01/09/06(木) 15:43:18 □ やっぱりスバルだぜ
スバルフォレスターに乗るOKOにクルマのことを書いて送ると、やっぱり
スバルだぜという熱い返事が来た。そうかやっぱり。インプレッサは写真で見
ると非常に小さい。シビックより室内が小さそうで後席がつらい。となるとフォ
レスターかレガシィ。オフを走らないことを考えるとレガシィかなという感じ
になってきた。まあまだ修理するのか買い替えるのかわからんのだが。それに
中古相場が泣きたくなるほど高い。
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そういった研究結果を話すと、ボルボ安全神話至上主義のMはボルボと比べ
てどうなのという。「ボルボは確かに重いからぶつかれば勝つが、同じ重さな
らスバルも水平対抗エンジンの利点(衝突時下にエンジンがもぐるというあれ)
によりドローになるのだ」と図を書いて説明してやると、じゃあスバルを探そ
うとMが即決してしまった。
う、それは......まあ折りよく手ごろなのが見つかればそうするかもしれぬ
が。とりあえずネットで研究を続けよう。
■ 01/09/07(金) 11:29:53 □ MKさん出産!
今日から仕事だというのに突然晴れた。とほほ。まあさっさと片づけていこ
う。と PC のスイッチを入れると、MKさんの陣痛が始まったとのOKOか
らの携帯メール! がんばれ! これを応援しつつ仕事を進めよう。
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う、MKさん陣痛弱まるとの知らせ。これはよくあることで、致し方なし。
がんばってー。彼女が少しでも仮眠できていればいいのだが。病院から刻々
と届くアップデートに気を取られ、仕事は進まない。ふー。
00:19 無事生まれたとの知らせ、ひゅーい \(~o~)/。
途中で陣痛が弱まったと連絡があったあたりから、Mのときのことを思い出
して気が気ではなくなってしまった。常識的に考えて若いMKさんに問題が起
きるはずもなかったのだが、それでも緊張してしまった。ふー、無事でなによ
りなにより。
■ 01/09/11(火) 11:22:43 □ 『パールハーバーの再現』
朝何時頃だったのか、「ニューヨークで....飛行機が....大変なことになっ
てるわよ」と寝ている俺にMが話し掛けた。う......とだけ答えてまた眠って
しまったのだが、起きてみて何事が起きたのか知った。そんなばかなとつぶや
くしかない。そんなばかな。
そんなばかなことが起きてしまうこの現実。オサマ・ビン・ラディンの仕業
といわれているらしい。奴は今アフガニスタンにいるんだったか。そこに対し
て米軍の全面攻撃が始まるんじゃないかと、Mと共に恐れる。朝イチで中古車
情報アップデートを検索するが、それどころじゃないよなという理由のない後
ろめたさを覚える。
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萌の世話をしながら仕事をちょこちょこと進め、合間にニュースを見ていた。
米報道番組を見ていると、アメリカ人は本当に愛国者だと思う。「アメリカに
こんなことをするのは許されない」といみじくもブッシュはいったが、「そりゃ
どこに国にだってこんなことをするのは許されんだろう」と突っ込まずにはい
られない。「アメリカ以外にならなんでも許されると思ってるからこんな事態
を招くのだ」と、ある国の人々は思ったかもしれない。もちろんそれらの国の
行為が正当化されるわけはないが。
Mも俺と同じことを感じており、「こんな惨事に皮肉な見方をしちゃいけな
いと思うけど、こうアメリカがアメリカがといわれると、なんだかだわねえ」
と言っていた。できるだけBBCとCBCだけを見るように努めていた。
「パールハーバーの再現」だと盛んに人々が言っているのを聞いて、ああそう
か、アメリカという国はパールハーバー以前も以後も戦災に遭ったことがない
のだと気がついた。
歓声を上げるパレスチナの人々を見ると、どうしてこんなことになってしまっ
たのか、もう帰るうちはないのかと途方に暮れる。
それにしても、あの映像が頭から離れない。鼻につく口調ではあったがアメ
リカのニュース解説者が言っていた言葉は本当だった。「あの映像は、私たち
の世界を根底から変えてしまいました。もはや安全はどこにいても保障されな
いのだということを、あの映像は語っているのです」。
■ 01/09/15(土) 11:39:01 □ 戦いの行方
アメリカがアフガニスタン周辺国のパキスタン、タジキスタン、さらには驚
くべきことにイランとまですでに手を組んで包囲網を作りつつあるらしい。い
きなり爆撃の嵐を降らせるのか思ったが、じわじわと行くのかと思うとややほっ
とする。CIAらがテロを阻止できなかった汚名を削ぐために、電撃無血作戦
でオサマ・ビンラディンを捕まえてみせてくれたらいいのだが。
ビンラディンの私軍とタリバーンは、即時直接報復ならば死んで元々と腹を
くくっていただろうと思う。がアメリカがこうして、迅速かつ辛抱強く周りを
固め崩していくのであれば、また話は別なんじゃないだろうか。アメリカがイ
ランと組むというのはまた1つのシンボリズムであって、「理由のいかんはと
もあれ、あんなやり方は許されない」というコンセンサスが、人種宗教政治を
超え驚くほどの強さで屹立してしまったのではないかと感じる。これはもしか
すると、イスラム対米国&子分という相を超えて、未来に明るい光を投げかけ
る可能性もあるんじゃないかという気がしてきた。
とはいえ周りを固めてもどうやってビンラディンの居場所まで迫るかと考え
ると、単なる戦争となり、憎悪が憎悪を無限増殖させるというシナリオしか想
像は進まないのだが。
■ 01/09/16(日) 11:10:19 □ スバルは RZ なのか?
なんとなく車のことを考え目が覚めてしまう。新しい中古車広告は増えてい
ない。今日はみんなが来てくれたので、俺はひたすら仕事をしていた。
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ネットでスバルインプレッサの面白いインプレが見つかった。『―――駐車
場の出し入れのような超低速でステアリングを切る。フロントタイヤの片一方
が、段差を乗り越える。その時の路面のインフォメーションの伝え方などに
「おおっ」と思ってしまう。街中の交差点をクルンと曲がる時にも効いている。
峠をそこそこのスピードで走っている時にも効いている―――』、ああこれっ
て TZR&RZ だなあ。TZR のソリッドさは今はさほど乗りたく思わないが、RZ
のあの町中を走ってるだけで楽しいしなやかさは今でも恋しい。あれをクルマ
で味わうことが可能なんだろうか。インプレッサは小さすぎて無理だが、レガ
シィでもこの楽しさの断片が味わえるんだろうか。それが、バイクに比べたら
スポーツ性が圧倒的に低そうに見える車というものに、これほど多くの人がの
めり込む理由なんだろうか。
■ 01/09/17(月) 12:17:57 □ 96 レガシィに決定
仕事が先行したので、夕方BRを送るついでにバンクーバーとリッチモンド
の車屋を覗くこととした。98 GT と 96 LSi、どちらも理想的ではないのだが、
シビックの下取り可能性を把握するだけでも行く価値がある。だいたいこの目
でレガシィを見たことがないのだし(笑)。
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まず 98 GT をトライ。ブラックがひたすら美しく、これはちょっとかっこ
よすぎて恥ずかしいなと思う。走り出すとエンジンが敏感で発進時にギクシャ
クする。道の継ぎ目でサスが硬いというのもすぐに分かった。不快ではないが、
ファミリーカーとしてはもうちょっと柔らかい方がいいなという感じ。全体に
母さんのVWを軽快にした感じ。ボディが硬くて、抵抗なくするすると前に進
む。2.5L もあるわりにはトルクはどうということもなく、もっとバイクのS
Rみたいに「ゴリゴリ〜」っとトルクを効かせて加速するのかと思ってた。AT
のつながりにもさほどの高級感は感じない。
でもとりあえず運転は非常にしやすく、パワーも扱いやすく、まったく恐怖
なくすぐにチェックに入れた。蛇行するとすっすっと気持ちよく向きが変わり、
「あなるほど、これが噂のナイスハンドリングなのね」とセールスの兄ちゃん
に言う。ほかはブレーキで速度が落ちる様子がうちのガタガタ脚のシビックと
はえらい違って気持ちよいと思った程度。全体にまったく文句ないが、路地を
走ってるだけじゃ、レガシィがすばらしい車なのかどうかは俺には分からんな
と思う。
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でこの「完璧に調子のいい(はずの)レガシィ」を頭にインプットして
96 LSi 長距離持ちを見にリッチモンドに行くと、そこはまさにスバル一色の正
規ディーラーであった。LSi の外観はGTと違い非常におとなしい。なんの変
哲も特徴もない、コンパクトなワゴンである。
試乗すると、エンジンパワーとボディの感じが 98 GT とまったく変わらな
い。「距離は行ってるが主にハイウェイ通勤の距離だ」というのは本当っぽい。
試乗コースは川沿いのナイスなところで、結構ツイスティで楽しかった。軽快
な走りを楽しみながら、これは大丈夫そうだなと感じる。急坂を登ったりして
負荷を与えてみないと本当のところは分からないのだが、少なくともうちのシ
ビックに乗ったときには、平地でもガタが来てると最初から分かった。この
LSi には、市街地で俺に感じられるレベルのガタはまったくない。
なるほどこれはいいねと話しながら走り、帰り道に暗い場所で道を見間違え
ブレーキを軽く踏みながらハンドルを切ったのだが、その時のスピードの落ち
方と向きの変わり方が秀逸であった。四つ足の動物が「おっと曲がるんですか」
と立ち止まり向きを変えたという感じの安定っぷりであった。スバルに全幅の
信頼を置いているらしいセールスの香港兄ちゃんは、「ああいうときはブレー
キを踏まずにハンドルを切ればいいんだよ、4WD なんだから」といっていた。
そんな運転セオリーが本当にあるのかと疑問に思ったが(笑)、まあともあれ
そんなラリー運転をする度胸はないです。
非常にいいが、あとは値段だけ。距離が行ってるんだから○○は高いよ、と
りあえず家に帰って考えると言うと、「じゃ○○ならどうだ」と引き止められ
る。いや、だから家に帰って考えるから....「ノーノー今夜決めてくれたらと
ことん引くよ」とセールス兄ちゃんがえらい頑張る。その後延々2時間近く、
閉店後も商談が続いた。
当初の見込みよりもかなり下がり、日本の中古レガシィ相場とも大きくは変
わらないというところまで来、うーんと考えた末決めることとした。「OK、じゃ
あ□○なら今夜決めよう」。すると、「ノーノーワタシは○○といったネ、そ
でないとワタシら今日の歩合でラーメンも食べられないね」と、しぶとく
$300 を落とさないセールスの兄ちゃんとマネージャのおっちゃん。さすがに香
港人という感じのタフさであった。ラーメンを出されちゃうと折れるしかない
なあとも思い、これもアジア文化の交流かと最後の $300 だけはこちらが譲っ
て、商談成立。
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明日取りに行くことを決め、帰り道これがシビック最後の仕事かとホンダパ
ワーを味わいながら走る。平地なら今でも本当によく走ってくれるよな、こい
つは。足回りはもうバタバタしていて本当に駄目だが、平地を流している限り
エンジンフィーリングは文句ない。よく働いてくれたぞ、購入代金分は十分働
いてくれた、お前が乗せて行ってくれた公園、病院、山、川、その他その他..
..と話しながら、いつもより気持ち多めにアクセルを踏んでやる。ラジエータ
だけ修理されて、リッチモンドの貧乏学生あたりがもう少し乗ってくれたらい
いのだが。
■ 01/09/18(火) 10:59:01 □ レガシィ初乗りの印象
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┃ レガシィ 1st インプレッション ┃
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
世話になった、達者に暮らしてくれお前に罪はないと下取りされたシビック
に別れを告げ、レガシィに収まる。ハイウェイに乗ると、普通に加速しただけ
で速度感なくすぐに 120km ほどに達し、やっぱりパワーと安定性はシビック
と違うなと思う。が、ステアリングへのほんのわずかな無意識の入力や路面の
うねりに反応して、車体がすぐに方向転換を始めてしまうという感じがある。
そんな状態だからレーンチェンジをするとスパっと決まって気持ちいいのだが、
そうでないときは細かく方向を指示してやりながら走るという感じで、慣れる
までしばらく気を使う。シビックのゆるゆるハンドルとかなり違う。
急坂の橋を渡るところで AT を1段落として上まで回してみると、2.5L ツ
インカムは思ったよりはるかにマイルドながら、スムーズで力強く心地良い。
音もコォオオオと非常にナイス。このすでにえらい距離を走っている車が、そ
ういう負荷の大きな高速急坂を苦ともしないことにも驚いてしまう。試乗時に
思った通り、状態は非常によい模様。
橋を渡る頃にはハンドリングに慣れてきたので、ニューウェストに入る高速
の分岐点コーナーを気合いを入れて回ってみる。コーナリング速度が上がるか
Rがきつくなって外側に加重がかかるにつれ、ピタリと姿勢が安定し、ぐんぐ
んと内側に向かう力が強くなる。おーすごいトラクション、バイクみたい。前
シビックならこんな真似はとてもできないというエネルギーをレガシィのボディ
とサスは楽々と受け止め、ハハハと笑っている。
が車でこういうことをやったことのない俺は強い横Gに疲れてしまい、すぐ
にのんびり運転に復帰。バイクなら横Gは相殺されているのでこれが気持ちい
いのだが、車だとハンドルにしがみつかなければならない。世の中の車愛好者
はこの我慢大会込みで楽しんでるのだろうか。レガシィのこのコーナリング性
能は確かに評判通りすごいものがあるが、あまりこういうことをやりたいわけ
ではないのである。RZに乗ってた頃のように、日常速度で気持ちよく走りた
いだけ。
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ニューウェストを過ぎ Lougheed に入る。PoCo に入るあたりをレーンチェ
ンジをしつつ走る。どんなタイミングからでも入力一発ですぱっとレーンが変
わるので(シビックだとすばやくやると車の姿勢が崩れるゆえ、直線のみでジ
ワジワやっていた)、今までためらっていたタイミングで積極的に空いてる方
のレーンを選んで走れ、安全で快適。
そして道がベンドしている部分でレーンチェンジをしながらコーナーに入っ
たときに、ハンドルと外側加重と右足アクセルがぴたっと一つになったのが分
かった。お、なるほど。これだ。つまり意識してステアリングをくいっと切り
外側加重のきっかけを作ってやると、速度が低くアクセル開度が小さくても車
体の姿勢ががしっと一発で決まり、大きなコーナリングフォースが発生するの
だ。スポーツモーターサイクルと同じ。そこまでスポーツ性を考えて作られて
いるのである。やっぱり今まで乗ったことのある車とは、種類が違うわ。
そこから後は市街地を普通にのんびりと走りおしまい。ふー、やっぱり緊張
して疲れた。俺と入れ違いでさっそく SFU に登って行くMに、すべての反応
がシャープで疲れると思うが、安全性はバリバリに高いので心配するなとアド
バイス。
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帰ってきたMにレガシィは気に入ったかと聞くと、「ええ、シビックと違う
から妙な感じだけどね」とだけ言い、ハンドリングがシャープすぎるだのなん
だのということはなにも感じなかったようだ。色や形はどうだというと注意を
払ってなくて覚えてないという。なんなんだその関心の薄さは! しかし大き
すぎるとか過敏だとかのネガティブな感想はなにもなかったようで一安心。今
後一緒に住むことになるBR母さん 70 歳でも、問題なく扱えるかもしれん。
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